さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?
●Kindleで金持ちになれるのか?
Kindle電子書籍リーダーが発表された。その「Kindle Paperwhite 3G」は無料で3Gが使えるし、もちろんWi-Fiにも対応している。iPad miniもあるし、Nexusも出てくる。だから、この時点ではKindleがいいのか、iPad miniがいいのか、Nexusがいいのかはわからない。
ただ、私が心躍ったのは、Kindleのプラットフォームを使えば、すぐにネット上で出版ができることだ。しかも、KindleはたとえばiPhone上であっても、amazonのアプリをインストールすればKindle版の書籍をダウンロードできる。かならずしも、Kindle本体を持つ必要はない。
これまでiTunes App Storeで自分自身が開発したソフトを販売し、大金を得た成功譚が喧伝された。しかし、ソフト開発はいわゆる一般人にとってツラい。私はアプリ開発の書籍を読んで勉強したけれど、普通はそこまでやらないだろう。しかし、文章を書くくらいだったら、誰にでもできる。これまで自身のブログに文章をアップして、ほとんどレビュー数がなかったとしても、amazonの巨大な力を使って電子書籍を発売すれば、一個人が大儲けすることもできるかもしれない。
Kindleでは、印税が35%か70%を選択できる。これはどちらかを選択するかによって、販売条件が異なる。具体的には、70%を選択すると配信コストがかかったりするけれど、その詳細は本題ではないのでやめておこう。ここでは、ほんとうに一人の個人が容易に電子出版できるかを述べてみたい。
ちなみに、私は商業出版として22冊を上梓している。その印税率はほぼ10%だった。つまり、1000円の本が2万部が売れるとすると、一冊あたりの印税は100円だから、200万円が取り分となる。だけど、2万部なんて、なかなか売れない。ミリオンセラーの本しか話題にならないけれど、多くの本は2000部でおしまい。ニッチな本であれば、5000部を売ったらバンザイだ。
しかし、印税率35%だったら、著者の取り分が3.5倍だ。効率が良い! もちろん、私は紙の出版もできる恵まれた立場にあるけれど、ほんとうに「電子書籍は個人の人生を変えるのかどうか」興味があった。
日本の全サラリーマンの副業紹介を兼ねて、以下を記す。
●異常に簡単な電子書籍発売
そこでさっそくやってみた。これまで商業出版をしてきた過程で、書籍に収録できなかった文章がいくらでもある。これを電子書籍出版してみてみよう。ブログを書いている人は、ブログ記事のまとめでもいいだろう。
まずは、Kindle ダイレクト・パブリッシング(呼称「KDP」)のページに行く。印税の銀行口座等を登録する。簡単だ。そうすると、さっそく本データのアップロードができるようになった。え? これだけ? 早い!
そこで、タイトルや内容紹介を書き、保存。本編のワードファイルをアップロードした……はずだったが、なかなかうまくいかない。試行錯誤のうえ、いったんGoogle Docsにコピーアンドペーストしてファイルを保存してみた。注意点は、Google Docsのページ設定で上下左右の余白設定を0にすることだ。それで、Google DocsをMicrosoft Word(.doc)でふたたび書き出す。そうしたら、KDPにアップできた。
あとは、表紙の画像をJPEGかTIFFで作成する。これはパワーポイントでも、フォトショップでもいいので、簡単な表紙画像(本のタイトルと著者名を記載するだけ)を作って該当形式で保存する。