今回、30代の国内信託銀行系、国内証券系、国内独立系につとめる3人のファンドマネージャーに集まってもらい話を聞いた。
A……国内信託銀行系ファンドマネージャー
B……国内証券系ファンドマネージャー
C……国内独立系ファンドマネージャー
――いきなりですが、やっぱりファンドマネージャーって儲かりますか?
A 銀行系は基本的に年功序列だから、たいしたことないですよ。それより証券系のほうがもらっているんじゃない?
B 僕は、確定申告が必要な年収2000万円以上はもらっていない。もっと上の世代だと確定申告している人もいるみたいだけどね。
――35歳くらいで年収はどれくらい?
A 銀行系だと1000万円前後。でも、ファンドマネージャーとしての実質的な定年は50歳。ほかの会社と同じように定年は60歳だけど、50歳を過ぎると子会社へ転籍させられて、そこで再雇用の形態で定年を迎える仕組み。
B 外資でも、たいしてもらえないよね。
C というより、今の若い世代だと、国内採用で外資のファンドマネージャーになれないでしょ。
A そもそも外資は、日本にファンドマネージャーを置いてない。アジアだと、香港かシンガポールくらいにしかいない。日本にいるのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメントくらいじゃない? 外資のファンドマネージャーなら、年収で1億以上もらっている人も多いだろうね。
――すごい給与が良く、それこそ海外だと何十億も稼ぐというイメージがあったのですが。
A 俺らの世代でいうと、LTCM(ロングタームキャピタルマネージメント/ノーベル経済学賞受賞者も取締役に加わり、平均の年間利回りが40%を超えるほどの伝説的なヘッジファンドだったが、98年9月にロシアの通貨危機の影響などもあり、事実上の経営破綻に陥った)が98年くらいまで調子良くて、その影響もあってファンドがすごい儲かるっていうイメージがあったのかもしれない。
B 今の若い世代だと、そういうイメージはないよね。