C 金儲けできるというイメージがないから、俺らの頃と比べると、就職する段階で期待度が違う。そもそも、数千万も稼げるとは期待していない。
お金の「出入り」を管理する主婦みたいなもの
――それでは、なぜファンドマネージャーになりたがるんでしょうか?
B トレーダー(ファンドマネージャーの指示で、実際に証券などの売買をする)は、その場の値動きで動く。自分のポジション(証券の持ち高)を持っている人なら、対マーケット重視で、今日は株価が上がるから売ろうとか、下がるから売ろうとか。自己ポジションの保持のためにやる。でも、ファンドマネージャーだと長期的にマーケットを見ることができる。それこそ今日は負けていても、長い目で見て勝てればいい。そういうのが楽しいからファンドマネージャーになりたがるんじゃないのかな。
――実際のファンドマネージャーの仕事って、どんなものなんですか?
C ファンドのマネージメント、読んで字のごとく、お客さんのお金の運用をして自分の持ち分を管理する。主婦みたいものだよ。
A それは言い得て妙だね。
C まずは、その日にどれだけお金の出入りがあるかをチェックする。例えば、証券や債券を売買して、出入りするお金がある。お金が出ていくなら、新たに用意しないといけないし、入ってくるなら何をいつ買うか決めなければいけない。まずはお金の出入りというところからスタート。
B どの銘柄を買うかということは、日々考えている。でも、お金の出入りがない時はマーケットを調べ、売り買いしない日もありますよ。ポジションを変える日もあるけど。一般的に思われているほど、売って買ってみたいな感じではない。
A ファンドマネージャーは銘柄の選定しかしない。この価格帯なら売ったり買ったりと決める。それをトレーダーが、その価格帯の中で判断して決める。ファンドマネージャーは地味な仕事ですよ。
――銘柄選定や売り買いの判断は、間違うこともある?