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公募増資の情報漏洩でJT株売り出しの幹事証券から外され……

野村證券 JAL再上場の主幹事証券の座も絶望的か?

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なんとか再び飛び立つJALだが......。「足成」より
 JT(日本たばこ産業)株式売り出しの主幹事から野村證券が外された。財務省は6月18日、幹事証券に大和証券、みずほ証券、ゴールドマン・サックス証券(GS)、JPモルガン証券の4社を選定したと発表した。4社のとりまとめ役となるグローバル・コーディネーター(主幹事)には、大和とGSが選ばれた。

 JT株式の売り出し時期や規模は未定だが、早ければ今秋に行われる。東日本大震災の復興財源を捻出するため、JT株式の売却分として今年度予算で5000億円が計上されている。政府が保有する500万株のうち、168万株が放出対象になるとの見方が有力だ。時価に換算すると売却額は7000億円に達する可能性がある。

 幹事証券の選定作業の過程で、野村の増資インサイダー問題が影響したことは間違いない。未公開情報を漏洩した野村證券とSMBC日興証券(シテイグループ証券と共同提案)は、今回の選考から漏れた。

 野村が未公表の公募増資の情報を漏らしたことが、証券取引等監視委員会の調査で判明したのは3月21日。国際石油開発帝石の公募増資の情報を10年7月、野村證券の営業部の女性社員が、旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)のファンドマネージャーに流し、同行は空売りで1200万円の利益を得た。

 2回目の情報漏洩の指摘がされたのは5月29日。みずほフィナンシャルグループの公募増資の情報を10年6月、野村證券の投資銀行部門の幹部と部下の2人が、旧中央三井アセットのファンドマネージャーに流し、同行は持ち株を売り抜けて2020万円の損失を免れた。
3回目は6月8日。東京電力の公募増資の情報を10年9月、野村證券の男性営業社員が、日本に拠点を置くコンサルティング会社を通じて、米ファーストニューヨーク証券に流し、同証券は空売りで720万円の利益を得た。

 現行法では情報提供者はインサイダーの罪には問われないが、金融庁は「インサイダー情報を流した証券会社が問題の根源」として、野村證券に業務改善命令を発動する方針だ。

 これに先立ち金融庁は4月20日、SMBC日興証券に業務改善命令を出した。三井住友フィナンシャルグループの公募増資を10年1月、営業担当者が顧客に流し新株購入を勧誘。同年9月、相鉄ホールディングスの公募増資でも、株式を引き受ける投資銀行部門から営業部門に情報が漏れていた。これを受けて日本証券業協会は6月19日、SMBC日興証券に不適切な勧誘行為があったとして2億円の過怠金を科した。