日本国民の新聞購読率は76%。本当かな…。
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?
新聞の宣伝広告効果
会社をやりはじめてから、さまざまな電話がかかってくる。
その多くが売り込みで、宣伝広告の勧誘だ。広告なんだかわからないことも多い。「注目の企業」としてインタビューします、というから話を聞いていると、「ご料金は20万円」だと。そんなお金はありませんと断ると「じゃあ、10万円で」と。正規料金はなんのために存在するのか不思議だ。
地方紙になると、さらに基準料金などあったものではない。
「テレビ欄の前ページ下段に、大きく御社の宣伝を掲載します」
「いくらなの?」
「10万円」
「高いよ」
「じゃあ3万円で」
などとおっしゃる。もとの10万円という料金設定は、私をナメていたのだろうか。
私的経験では、地方紙に宣伝を載せてもほとんど効果はない。「宣伝効果を定量的に教えていただければ検討します」というと、誰もが口をつぐむ。結局は費用対効果として、宣伝効果がないといっているようなものだ。
ちなみに、私は書籍を21冊上梓している。その経験でいえば、朝日新聞と日経新聞に出版社から広告を載せれば、多少は売上に好影響がある。ただ、それ以外の新聞であれば、広告を載せてもほとんど影響がない。おそらく、これは多くの出版人の共通の感想だろう。しかし、このことをあまり大声でいう人はいない。
新聞の販売量
新聞は終わった、といわれる。いわば、オワコンというやつだ。
ちなみに、私は新聞が終わったと思ってはいない。あれほど多くのビジネスマンが毎朝のように目を通している媒体だ。工夫次第ではいくらでも活路はある。私が思うに、おそらく新たな読者層を取り込もうと思えば、「新聞の横文字化」と「社説の廃止」くらいはできるだろう。デジタル化のいま、新聞が縦文字である理由はほとんどない。
また、なにより事実やデータが必要とされているいま、社説という「意見」を聞く必要はほとんどない。
意見はブロガーでじゅうぶんだ。
朝日新聞社の社員でも「天声人語」を読んでいる人はどれくらいいるのだろう(管理社会と受験の激化を嘆きながら、「天声人語」の入試採用率を喧伝する同社の姿勢は一つのご愛嬌だった)。