落とせない。(「同社HP」より)
貯金がある場合は問題はないが、ない場合の選択肢は2つとなる。1つめは、キャッシングやカードローンで必要額を借りて充当する。2つめは、リボ払いにすることだ。
ほとんどのクレジットカードには「リボ払い」(正式名称は「リボルビング払い」)という機能がついている。毎月のカードの支払い額をあらかじめ決めておき、その金額をカード会社に毎月支払う方法だ。合計10万円の買い物をしても、リボ払い金額を1万円に設定しておけば、支払い額は1万円で済む。ただし、その支払いは残高が0円になるまで続くことになり、残高には当然金利がつく。
リボ払いの金額は、残高に応じてカード会社が設定しているケースもあるが、ユーザが自分で決めることができる場合もある。また最近は、あらかじめリボ払いを選択していなくても、カード利用後にリボ払いにできる「後リボ」という便利なサービスもある。支払金額が膨れ上がり、一度に支払えない時などに利用できるわけだ。
冒頭の質問に戻ろう。手持ちのお金よりもカードの支払い金額が多い、あるいは、カードの支払いをするとその後の生活が危うい、という時はどうすればよいのか?
2つの選択肢のうち、キャッシングなどでお金を借りるよりも、リボ払いを選ぶ人のほうが多いのではないだろうか。リボ払いの残高に金利がかかることがわかっていても、「キャッシングをするよりは負担が軽そうだし、そもそも借金をするのは避けたい」といった理由だ。
しかし、「キャッシングやカードローンより、リボ払いのほうが負担は少ない」と考えるのは、実は間違っているというのは意外に知られていない。リボ払いの金利の仕組みが理解されていないためだろう。
例えば、10万円の買い物をして、毎月1万円ずつリボ払いをする、というケースで考えてみよう。リボ払いの金利はカード会社によって異なり、ほとんどはキャッシングやカードローンの金利よりもわずかに低く設定されている。
「10万円のキャッシング金利が18%であれば、リボ払いの金利は16%に設定する」
といった具合だ。そこで、計算をわかりやすくするために、リボ払い金利を年利15%として、2つを比較してみよう。
トータルの返済額はローンのほうが少ない!
実際のリボ払いで引き落とされる金額は、設定した支払額+金利分となる。したがって、初回の引き落とし額は1万円+金利となり、この場合の金利は、
・10万円×15%÷12カ月=1250円
となる。2回目の引き落とし額は、同様に1万円+金利となるが、金利は、リボ払い残高が9万円になっているため、
・9万円×15%÷12カ月=1125円
となる。以下、同じように計算すると3回目の金利は1000円、4回目は875円となっていき、10回目で1万円+125円を支払って、リボ払いは終了することになる。そして、この間の金利の合計は6875円となる。