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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

本当に怖い「50代ローン地獄」を抜け出す具体的方法…いくら返済しても残高が減らない

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー
本当に怖い「50代ローン地獄」を抜け出す具体的方法…いくら返済しても残高が減らないの画像1「Gettyimages」より

 50代でクレジットカードの支払い(リボ払い)やカードローンによる借金に苦しむ人が少なくない、と前回話した。20~30代だと年収がまだ低いので、借りられる額も少ない。だいたい100万円くらい。債務整理や自己破産をしても、生活への影響は少なく、5年がまんすればクレジットカードもつくれるようになるし、住宅ローンも借りられるから、やり直しもしやすい。

本当に怖い「50代ローン地獄」を抜け出す具体的方法…いくら返済しても残高が減らないの画像2『50代のいま、やっておくべきお金のこと 新版』(中村芳子/ダイヤモンド社)

 一方、50代で年収が高いと、クレジットカードとカードローンの残高の合計が500万円を超えることもある。金利が15%なら、年間の利息の支払いだけで75万円、毎月10万円返済してもその60%以上は利息なので、返しても返しても残高が減らない。貯金がないので、ローン残高が少し減ったら、また借りる悪循環になる。

 ここからどう抜け出すか考えてみよう。ステップはシンプルだ。

(1)借金の一覧表をつくる
(2)自力で返済できる額か判断する
(3)判断が難しいとき、返済できそうにない時は、すぐに専門家に相談する
(4)アドバイスに基づいて行動する

一覧表をつくって現実を見る

 クレジットカードを使いすぎている、カードローンの返済が負担だ、返しても返しても借金が減らない、ということはわかっていても、本当の実態がわかっていないことが多い。見たくないから。でも逃げていては解決しない。

 まず、一覧表をつくろう。こんな簡単な表でいい。

本当に怖い「50代ローン地獄」を抜け出す具体的方法…いくら返済しても残高が減らないの画像3

 表をつくると残高や金利がはっきりしてくる。返済方法や返済計画がわかってないものは問い合わせて、はっきりさせる。金利が8%と15%と18%のものがある、とか、残高120万円のものと30万円のものがあるとか、支払い月額を合計すると家賃よりも高いとか。ため息が出るかもしれないが、これが大切な第一歩だ。

現実的な対応を考える 年収の30%を超える借金は自力では難しい

 借金の総額がわかったら、自力で返せるかどうか判断できる。結論からいうと、自力で返せる可能性があるのは、ローン残高が年収の30%くらいまで。

 税込年収1000万円(手取り750万円)の人に300万円(税込年収の30%)のローンがある例を考えてみよう。金利15%とする。借入先がひとつなら、返済額は月3.5万円(リボ払い)から7.3万円(5年返済)ほど。リボ払いを選んだら残高が減らないので延々と返し続けることになるが、5年返済にすれば、毎月の返済は苦しいが返し終えるのは不可能ではない。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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