2008年のリーマンショック以降、大企業のリストラや中小企業の倒産によって、転職を考えざるを得ない中高年は増加している。高学歴、大企業で働いていたからといって、決まるとは限らない。転職できる中高年と転職できない中高年はどこに差があるのだろうか。
『40歳からのサバイバル転職成功術』(海老一宏/著、ワニブックス/刊)は、転職を考えている中高年に向けて、13年間で5000人以上の転職希望者に面談し、100社以上のクライアントに人材を紹介してきた著者の海老一宏氏が、厳しい中高年転職マーケットで成功するための秘訣を紹介する一冊だ。2013年に出版されているが、現在でもじゅうぶん通じる。
本書の主な読者層は、40代、50代のサラリーマン。ほぼ課長や部長、本部長クラス、あるいは役員、社長経験者などの役職者=エグゼクティブだ。中高年エグゼクティブで
転職できる中高年、できない中高年はどんなタイプなのか。
まずは、転職できない中高年のタイプを本書から紹介しよう。
・本当の実力がない
・その会社でしか通用しないポストに就いている
・ITやグローバル関係に無縁である
・売り上げや利益で会社に大きく貢献している感覚がない
最初の「本当の実力がない」という人は、あまり専門性の高くない仕事や経験を問われない仕事、中高年でなくても若者でもできる仕事に従事してきた人、大企業病の疑いがある人を指す。
また、「ITやグローバル関係に無縁である」については、現在IT、グローバル関係の採用ニーズが高く、中高年になってから足を踏み入れるにはハードルが高いということだ。
では、転職できる中高年はどんなタイプなのか。
これは3種類の人材に分けられるという。まずは会社の売り上げを上げられる人。次に会社を活性化させられる人。組織の調和を乱さずに社員のやる気を引き出し、よりよい会社の雰囲気を作れる人のことだ。
3番目はどんな社長の下でも、その意を汲んで実行に移せるプロフェッショナルであることが求められる。社長のビジョンやポリシーを尊重して、社長の考えることの先回りをして実行し、社長を楽にしてあげて、会社をぐんぐん伸ばせるような人だったら、会社員生活も一生安泰となるだろう。ただし、やり過ぎないように気をつけなくてはいけない。
厳しい中高年転職市場にどうやって向き合うべきか。何をすべきなのか。どう考えるべきなのか。中高年転職の盲点や書類や面接突破のポイントなど、転職を考えているなら読んでおくべき1冊だ。転職する理由は人それぞれだが、あまり悲観的にならず、転職はチャンスと捉え、新しい人生を切り開いていくべきなのだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。