どんな情報でもネットで手に入る時代。しかし、名だたる経営者、成功者の多くは多読家である。
ビル・ゲイツにマーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスク、ウォーレン・バフェット。日本では、ユニクロ創設者の柳井正氏、楽天の三木谷浩史氏、ソフトバンクの孫正義氏などが多読家として知られている。ある調査によると、大富豪の読書量は年収300万円の人の38倍とのこと。「なぜ成功者は本を読むのか?」「忙しいはずなのに、いつ、どうやって読んでいるのか?」。
脳科学者であり経営者、また投資家でもある上岡正明さんも、読書によって成功をつかんだ一人だ。自ら考案した「高速読書」によって、ビジネスと投資のスキルを磨き、30代にして3億円の資産を築いた。上岡さんは著書『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム刊)で、高速読書によって得られるメリットを次のように上げている。
■高速読書で得られる10のメリット
1.1冊を15分で読める→忙しい人でもスキマ時間に読める
2.読んだ内容を忘れなくなる
3.知識をアウトプットして活かせる
4.速読のような特別なトレーニングは不要
5.論理的思考力が伸びる
6.アイデア力・発想力・直感力が伸びる
7.行動力が伸びる
8.コミュニケーション力が伸びる
9.仕事のスピードも高速になる
10.成功者の思考回路をトレースできる
これらのメリットを可能にするのは、以下の3つの脳科学的なアプローチだという。
・分散効果…時間や場所を変え、バリエーションをつけながら1冊の本を複数回読むことで、本の内容が脳に定着しやすくなる。
・エピソード記憶…平常時と違う状況を作り出すことで、本の内容が忘れにくくなる。この状況を作るために、読書をしながら本に直接書き込みをしていく。
・アウトプット…本で得た知識を実生活で使っていく。アウトプットすることによって、脳はその情報を「重要なもの」だと認識し、忘れにくくなる。同時に発想力、アイデア力、コミュニケーション力をはじめとする非認知能力、論理的思考力も伸びていくという。
■高速読書で成功者の思考回路をコピーする
もともと落ちこぼれだったという上岡さんは、高速読書のスキルを磨き上げたことで、知識ゼロからマーケティングのノウハウを自分のものにし、経営を軌道に乗せた。また、投資では30代で3億の資産を形成。これらの成功はすべて本から得た知識をアウトプットしただけで得られたという。
「なぜ成功者は読書をするのか?」。それは「成功者は、過去の成功者の思考回路と行動をトレースするために読書をしている」と上岡さん。
本というものは、その道の達人とか、一流の経営者とか、あるいはあなたが知りたいジャンルで経験と失敗を繰り返してきた「先輩」が書いている。その人たちの本を読み、記憶し、自分の行動プランに取り入れていくことは、自然と成功者たちの思考回路をまねていくことになる。思考回路をトレースしてしまえば、情報を浅い知識で終わらせず、さまざまなシーンで応用していくことができるようになるのだ。
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一方で、上岡さんは、「高速読書は従来の速読術とは全くの別物」としている。速読が「速くたくさん読む」ことを目標としているとすれば、高速読書は単にインプット量を増やすだけでなく、実生活に活用し、人生を豊かにすることをゴールにしているといえる。
「速くたくさん読めて」「しかも内容を忘れず」「思考回路や行動まで変える」ことができる読書術。自分をもっと成長させたい人は試してみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。