「ゴリラは知性が発達しすぎて下痢ぎみ」「シマリスのしっぽはかんたんに切れるが、再生はしない」など、動物たちのちょっと“ざんねん”な一面をまとめて大人気となった『ざんねんないきもの事典』(高橋書店刊)。
ですが、本当に「ざんねんないきもの」なのは、私たち人間の方かもしれません。
『医者も驚いた! ざんねんな人体のしくみ』(工藤孝文著、青春出版社刊)は人体のちょっと“ざんねん”なところをまとめた一冊です。
本書から人体の興味深い仕組みをひとつ、ご紹介しましょう。
「おならを我慢しすぎると口から出る」。そんな噂を聞いたことはありませんか? 冗談のような話ですが、それはあながち嘘ではないようです。
そもそも「おなら」とは、腸内で発生した二酸化炭素、メタン、硫化水素などのガスが、お尻の穴から出たものです。
しかし実際には、おならを我慢していないときでも私たちの口からは、この、おならの元となるガスだったものが呼気となって吐き出されているそうなのです。
なんともショッキングな話ですが、普段吐き出す息からはおならのニオイはしませんよね。
腸内で発生したガスの一部は腸管から吸収され、血液に乗って体内を巡り、肝臓へ送り届けられます。すると、肝臓によって無臭化され、さらに肺に届けられ、そこで呼気に交換されて、口や鼻から身体の外へ放出される仕組みです。
そのため呼気からはニオイがしないことが普通ですが、おならを我慢し続けていると話が変わります。
血液によって届けられるガスの量が、おならを出さないことによってどんどん増えてしまい、肝臓は対処しきれなくなります。すると肺へ届くガスもいつもよりきついニオイになり、最終的に呼気にもニオイが出てしまいます。
つまり、口臭が強くなるのです。
おならを我慢することで口臭がひどくなるなんて、なんとも「ざんねん」な事実ではないでしょうか。
本書にはほかにも、「タンスの角に足の小指をぶつけてしまう医学的根拠」や「年をとると、眉毛の数本だけが長く伸びてしまう…」など、ちょっと不思議で「ざんねん」な話が満載です。
文字通り“身近”でありながら意外と知らない自分の体、驚きと少しのガッカリを楽しめること請け合いの一冊です。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。