あなたの周りに、「一緒にいて疲れる人」はいないだろうか。
悪い人ではないし、仲が悪いわけでもない。でも、なぜか一緒にいると疲れてしまう。それは一体なぜなのか。そして、もしかしたら自分も「一緒にいて疲れる人」に当てはまっているかもしれない。
■「一緒にいて疲れる人」に共通する8つの性質
『一緒にいてラクな人、疲れる人 人と会うのが楽しみになる心理学』(古宮昇著、PHP研究所刊)では、カウンセラーとして日米で5000人以上の心の援助をしてきた古宮昇氏が、「疲れる人」から「ラクな人」に変身できる効果的で具体的なメソッドを紹介した一冊だ。
まず、「一緒にいて疲れる人」とはどんな人で、どのような行動をしているのか。本書では以下の8つが挙げられている。
1.相手から与えてもらおうとする
「ぼく、人見知りなので、よかったら声をかけてください」というような自己紹介をする人は、「私からあなたに与えることは拒否します。わたしに一方的に与えてください」と言っているのと同じである。
ラクな人は、相手に進んで与えようとする。人の関心を得るには、まず人に関心を向けることが大切だ。
2.結果や相手の反応を気にしすぎる
「ラクな人と思ってくれるかな?」と相手の反応を気にするよりも、「良いことを与えている自分でいる」ことを中心軸に置くよう心がけることが大切だ。ラクな人は、結果よりも自分の納得感を大切にしていると著者は述べる。
3.自分を良く見せようとがんばる
自分を良くみせようと自慢するのは、虚勢を張っているということ。人は、共通の欠点のある人に親近感を抱きやすいという。そういう人と一緒にいるとラクに感じるものだからだ。自分の欠点を素直に見せることができる人は「ラクな人」になるのだ。
4.自分の誤りを認めず、他人の誤りに厳しい
相手の間違いや欠点を指摘しても得にはならない。人の自尊心は、傷つかないよう大切に扱われる必要がある。ラクな人は、自分の誤りを認め、他人の誤りには寛大である。
5.人の意図を悪くゆがめて解釈する
他人の期待をゆがめて解釈すると、「なんで反抗するんだ?ひょっとしてバカにしているのか!?」と相手は思い、人間関係にひびがはいってしまう。ラクな人は、人の意図を正しく理解しようと努めているという。
6.自分はつねに正しいと思っている
「善悪」や「正しい・間違い」のものさしを他人に当てはめ、すぐに「良い」「悪い」と判断する人は心を閉ざされる。一方、ラクな人は、自分と異なる意見や価値観を認めることができる。
7.イヤなことや問題ばかりに目がいく
人は、不幸はよく覚えているものだが、幸せについては、努めて注意を払う習慣をつけない限り、忘れやすいようにできているという。だから、日頃から良いこと、うれしいことに、意識的に注意を向けることが大切だ。ラクな人は、良いことに意識的に目を向けることができているのだ。
8.目立つと嫌われると思っている
目立つと嫌われたり批判されたりすると怯えてはいないだろうか。その怯えは緊張感として人に伝わり、一緒にいると疲れる人になってしまう。一方、ラクな人は、自分の存在感を消そうとせず、堂々としているという。
これらの行動をついついしてしまっている人は、できる限り自分自身を見直したほうがいいのかもしれない。しかし、著者はこうした行動を直しても、なおラクな人になれない場合もあると述べる。
その原因は、子どもの頃に傷ついた部分が癒されていない場合や「大切な人を失った悲しみ」がまだ癒されていないことにあるという。その場合、「喪失の悲しみを人に話す」「お墓参りなどの儀式をする」「泣きたいときには泣く」「こころの専門家のカウンセリングを受ける」といった4つの方法で、喪失の悲しみを癒すことが先決だ。
職場でもプライベートでも、一緒にいてラクな人の方が人は寄ってくるし、モテるもの。ラクとはいかないまでも、「一緒にいると疲れる人」にならないようにするために、本書の内容は役立つはずだ。できるところから少しずつ、実践してみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。