週休3日制、週30時間労働、複業、リモートワークと新しい働き方を実践しているのが、コンサルタントの越川慎司氏。自身が代表取締役社長を務める会社では、世界各地にいる38人のメンバーも週休3日・週30時間労働のルールを守っているという。
ノマドワークなど、働き方が多様化し、長時間労働への世間の目が厳しくなる一方で、仕事量が少なっているわけではない。越川氏はなぜこんな働き方が実現できているのか。それは「時短術」にある。
■時短術を成功させるために絶対必要な視点とは
『仕事の「ムダ」が必ずなくなる 超時短術』(越川慎司著、日経BP刊)では、ムダをなくして成果を上げるための39の「時短」実践メソッドを紹介する。
具体的なメソッドはここでは明かさない。ここでは時短術を活用する上で大前提となるポイントについて取り上げる。時短術をするうえでまず大切なのは、自分の時給がいくらかを把握することだ。質を落とさずに、働く量を減らすということは、「時間当たりの稼ぎを増やすこと」だからだ。
企業に勤めている人は、年末に配布される源泉徴収票と毎月提出している勤務表、有給休暇取得数によって、自分の時給を算出できる。フリーランスや個人事業主は、確定申告書や決算報告書の収入と収益、そしておおよその労働時間数によって時給を計算できる。
直近3年間で比べてどれくらい増減があるか。その時給をいつまでにいくら上げたいのかを紙に書き出してみることで、「案外時給が低いな」「もっと時間単価を上げたい」など、感じることがあるはず。その理想と現実の時給ギャップ実感したら、そのギャップを埋めていけばいいのだ。
また、自分の時給がわかれば、時給につながることとそうでないことがわかるので、時給が上がっていきやすい仕事やタスクに注力して時給を上げていくことが可能だ。 今の能力や時給を把握し、自分が目指す時給、その時給を実現するためのスキルや希少価値、経験をどのように積み上げるべきかを戦略的に考えることが必要になる。
時給換算は、理想と現実のギャップを埋めることに関係のない仕事を明らかにする。明らかに時給アップに貢献しないことは、きっぱりとやめる勇気も必要だと越川氏。。
自分は時給いくらで働いているのか。自分の「稼ぐ力」を客観的に見つめるという行為は、変化の激しい時代において重要なのだ。
政府は「働き方改革」を掲げ、会社は「定時で帰れ」「もっと成果を上げろ」と言う。そして人によっては両親の介護や子育てと仕事を両立させる必要もある。これらを実現するには今までの働き方では時間が足りなくなるのは当然。今自分がやっている働き方を見直し、効率化するために、本書から得られるものは多い。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。