まさに、激動の渦中にある世界。今や地球の人口は70億を超えたが、一人ひとりが歴史の目撃者といってもいいのかもしれない。そんな中、11月に出版された『「24のキーワード」でまるわかり!最速で身につく世界史』(アスコム)は、TBSテレビでバラエティ番組のプロデューサーを務める角田陽一郎氏が著者という、ユニークな歴史本だ。今回、その角田氏に
・歴史にハマったきっかけ
・「バラエティ」と「世界史」の共通点
・「世界史」の面白さや魅力
などについて、話を聞いた。
今、この瞬間も「世界史」の一部
–「テレビでバラエティ番組を手がけるプロデューサーが、世界史の本を執筆した」と聞くと不思議な気もしますが、昔から歴史に興味があったのでしょうか?
角田陽一郎氏(以下、角田) とにかく、昔からなんでも知りたい欲求のある子供でした。エッチな話から学問まで、どんなことにも興味を持ちました。高校2年生の時、全16巻の『世界の歴史』(中央公論新社)を読破したのですが、それがものすごく面白かったです。特にフランス革命の第10巻は単純に読み物として楽しく、「うわ、人がどんどん裏切っていく……」などと思いながら読みました。
当時は『機動戦士ガンダム』(テレビ朝日系)がはやっていたのですが、「どうして、みんなガンダムの宇宙世紀の歴史のことは楽しく語るのに、フランス革命の歴史には興味を持たないんだろう?」と思っていました。そんなことがきっかけで、大学では西洋史を専攻しました。
–大学卒業時に、本格的に歴史の研究をしようとは思わなかったのでしょうか?
角田 迷いました。「このまま大学に残って、世界史の教授にでもなろうか」と本気で思いました。ただ、同時にエンターテインメントの世界にも興味があったので、テレビ局のバラエティ制作という道を選びました。そもそも、「バラエティ」というのは「いろいろ」や「多様性」という意味です。つまり、なんでもありで、なんでも扱うことができるジャンルです。
僕がこれまで担当した番組は『さんまのスーパーからくりTV』や『中居正広の金曜日のスマたちへ』などですが、これらも「なんでもやれる」番組です。バラエティという枠の中では、ドキュメンタリーでもドラマでも、何をやってもいいわけです。そういう意味では、僕にとって、「世界史を語ること」と「バラエティ番組をつくること」は同じなのです。