ハーバード大学というと、どんなイメージを抱きますか? 「世界トップクラスの頭脳集団」「冷静沈着で極めて合理的に行動する人たち」などでしょうか。
実際にどんな人がいたのか、ハーバード大学医学部の医療機関に籍を置いていたという医学博士の川崎康彦氏に聞いてみました。
川崎氏は、ハーバード時代に論文を驚異的な数で増産してきた医学博士で、7つの言語を操るという頭脳の持ち主。だからこそ、川崎氏はハーバードに入れて、活躍できたのかと思うでしょう。しかし彼は、それをひっくり返すことを口にしたのです。
「むしろ逆ですね。ハーバードの人たちを見ていて思ったのは、子どもっぽくて純粋で無邪気な人が多いですよ。記憶力についてはむしろなさそうで、昨夜何を食べたのかも忘れるくらいで…。自分もそんなタイプかもしれません」
では、ハーバードの人たちは、実は頭があまり良くないのか? そんなことはありません。ビル・ゲイツやJ・F・ケネディなど、卒業生はそうそうたる顔ぶれです。また、ARWU世界学術ランキングでは、2014年の医学部門では世界一位となっています。
川崎氏は、ハーバードの人たちには2つの共通点があるといいます。一つは「ワクワクすること」。もう一つは「ハラハラすること」。この2つを大事にしていたそうなのです。
ワクワクしてくると、脳には集中力やエネルギーといったパワーがみなぎってきます。ハーバードの人たちは、専門分野でワクワクすることにかけては、世界トップクラス。これが、自分だけでなく、周囲を巻き込んでいく推進力にもなっていたのです。
もう一つの「ハラハラ」とは、ワンパターンにならない考えや行動を起こすこと。このとき脳は「ハラハラ」します。ハーバードの人たちは、ワクワクしたことに対して様々なアプローチを試みて、常にハラハラしていました。彼らの口癖は「結果がわかっていることは興味がないし、やりたくない」なのです。
「ワクワク」と「ハラハラ」。このたった2つというシンプルなルールが、世界最高峰の研究集団のパワーの源だったのです。
となると、ハーバードの人たちのような結果を出すには、「ワクワク」と「ハラハラ」を上手に起こすことが欠かせません。川崎氏は、『ハーバードで学んだ脳を鍛える53の方法』(アスコム刊)で、そんなふうになるように脳をチューニングする方法としてまとめています。
そのやり方は、「朝食にちょっとしたご馳走を用意する」「子供の話を真剣に聞く」「1日に20分昼寝をする」など、どれも極めて手軽。世界トップレベルの成果を出すハーバードに近づくための、最短ルートの虎の巻ともいえそうな本書。書いてあることを少し試してみませんか?
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。