2月6日から韓国・ソウルで四大陸フィギュアスケート選手権が開幕。
この大会はヨーロッパをのぞくアジア、アフリカ、アメリカ、オセアニアの4大陸の選手が出場権を持つ国際大会。そこで注目が集めているのが、2017年大会以来の出場で初制覇を狙う羽生結弦選手だ。
中央公論新社から出版されているムック『「氷上に舞う! Special フィギュアスケート日本男子ベストフォトブック2019-2020」(婦人公論2/10号増刊)』は、そんな羽生選手が表紙を飾る、今シーズンの男子フィギュアスケートの全日本選手権までの戦いをグラビアで振り返る一冊。
このムックは、婦人女性誌『婦人公論』で連載中のグラビアページ「氷上に舞う!」の特別版として出版されたもの。その連載で、フィギュアスケーターたちの氷上の姿を美しく切り取るスポーツ写真家の田中宣明氏自身にも、スポットが当てられている。
全国各地の大会をまわりシャッターを切り続けている田中氏。インタビューで「フィギュアスケートの撮影は、何年やっていても難しい」と語るその理由は、「ジャンプやスピンでくるくる回りますし、スピードも速く、技も次々に組まれているので、演技を目で追っているとタイミングが遅れてしまう。『ここ』と思う少し手前からシャッターを切らないと、理想の画を残すことができない」(p.56より)からなのだとか。
田中氏は実際、1つのプログラムで少なくても100枚、多い場合はその数倍撮影しているそう。選定も含めて大変な作業だが、「いいスケーターほど、写真を撮るのも見るのも楽しくて仕方ないですね」と心から写真を撮ることを楽しんでいるようだ。
また、「魅力的なスケーターを撮るときは、彼らとまるで戦っているような感覚に陥るんです」と述べ、撮影をしていて「心身ともに消耗する」選手として、羽生選手、宇野昌磨選手、アイスショーでのステファン・ランビエル氏の名をあげている。
アイスショーの魅力や世界選手権の展望なども網羅した本ムック。夏の五輪イヤーの2020年だが、フィギュアスケートからも目が離せない。
(金井元貴/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。