中学受験で難関校に合格する親と子どもの関係。子どもを管理し、コントロールする「べったりやらせる方式」はいずれ行き詰まる。一方、難関校に合格する子どもの親に共通することは、「さらりとママ」である。
こう述べるのが『中学受験で伸びる!受かる家庭の習慣』(すばる舎刊)の著者である、たなかみなこ氏だ。
「さらりとママ」とは、小4終わりぐらいから徐々に子どもの勉強から手を離し、受験を子どもと塾に「さらりと任せる」親のこと。あれこれ口を出さず、勇気づけながら、折を見ながら上手に「声かけ」をするのだ。
「さらりとママ」の声かけのポイントとは?
本書では、御三家をはじめとした難関校に子どもが受かる「合格ママ」になるための秘訣を紹介している。
さて、なぜ「さらりとママ」になるべきなのか。それは、自分でなんとかする子どもが難関校に受かっていくからだと著者は説明する。子ども自身が「自分で工夫して勉強したら、成績が上がった」という経験をし、テストの点数やクラスの上下の結果を「自分ごと」として捉えられるようになることが大切だというのだ。
子どもへの「声のかけ方」にもコツがある。それは「早く!」「ちゃんとしなさい!」などの「勇気をくじくNGワード」を使わないこと。子どもが自信を持ち、「ママと協力し合えてる」と思えるように勇気づけていくことが重要なのだそう。
たとえば、塾に送り出すときに「忘れ物ない?ちゃんと質問してくるのよ!」と、確認したり、注意するのはまさに「NGワード」。子どもからすると「本当に大丈夫なの?ひとりでできる能力はあるの?」と疑われている気持ちになるからだ。ここでは「楽しんできてね!」と明るく声をかけるのが正解。
本書の考え方のベースになっているのが、アドラー心理学だ。
アドラー心理学には「人間には目的がある」という考え方がある。例えば、宿題に取り掛からずにダラダラしているとしたら、それは「充電する目的」でダラダラしているのかもしれない。
親は、子どもが「どんな目的」でダラダラしているのか、を想像してみることが大事。「もしかして〇〇のために充電しているのかな?」と聞くことで、子どもは親に理解してもらえていると感じることができる。
アドラー心理学とコーチングを掛け合わせた合格コーチングの秘訣を紹介する本書から、子どもの中学受験を志す親は学ぶことも多いはず。べったりと口出しするのではなく、子どもに任せる勇気を親が持つ必要があるのだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。