「宣材写真は1年から2年に1度のペースで撮影します。多くの人の目に触れる宣材写真ですので、見苦しい姿で写るわけにはいきません。だから女子アナはいくつになっても、どんなに忙しくても日々、体型維持のための運動とダイエットに余念がありません」
聞けば、週3日から4日、3時間程度ジムで汗を流すという。今回も撮影のために1カ月で5キロのダイエットを敢行したという。
撮影スタジオでメイクを受けながら鏡越しに語るその小沢アナの話に、記者はもちろん、メイク、ヘアメイクのスタッフたちも引き込まれていく。何気ない日常の話でも人を惹きつける話術は、女子アナの面目躍如といったところか。
女子アナライターが表に出てこない理由
こうした女子アナならではの話術に、取材を受ける側はついつい口を滑らせてしまう。その結果、大事件の端緒を掴んだり、スクープ記事につながることも珍しくないという。時にはわざと取材対象を怒らせて話を引き出すという旧来からの取材手法を取る百戦錬磨の新聞記者や雑誌ライターが、女子アナライターを恐れる理由がここにある。
だが、小沢アナにみられる現役女子アナライターの活躍が世に知られていないのはなぜか。出版業界関係者が、その事情を次のように明かす。
「報道、バラエティを問わず、出演している放送局への配慮です。たとえば、A局でレギュラー番組を持つ女子アナが、ライバル局であるB局と関連が深いC出版社でライターとして取材に来ると、取材の受け手は驚き、視聴者や読者も混乱することがあるからです」
こうした背景から、女子アナがライターとして仕事をする際、その多くは筆名(ペンネーム)で執筆し、顔出しはNGというのが通例となっている。つまり、女子アナとは「別人格」での誌面参加となる。そんな例に漏れず、小沢アナもペンネームや無署名でライター活動を行っている。
現在、インターネット媒体を中心に「数多のヒット原稿を連発中」(担当編集者の川村洋氏)という小沢アナには、書籍の執筆依頼が引きも切らないという。優れた伝え手は、同時に優れた書き手でもある。それを彼女が証明した格好だ。
「ライターの経験は、アナウンサーの仕事にもいい影響を与えてくれます。いわば“シナジー効果”です」