1982~93年まで、さらには2004~10年まで、全日(6~24時)、プライムタイム(19~23時)、ゴールデンタイム(19~22時)の視聴率三冠王を誇っていたフジテレビ。以降は下落傾向にあることはよく知られているが、「その転落ぶりは、テレビ史上まれにみるもの」とテレビ局関係者は語る。
「これまでも、不祥事が原因で世間の信頼を失い、視聴率が下がったテレビ局はあります。たとえば、03年10月に明るみに出た『日本テレビ視聴率買収事件』。日本テレビのプロデューサーが視聴率の調査家庭に金品を渡して、自身の制作した番組を視聴するように働きかけていた事件ですが、この影響からか翌年、日テレはフジに三冠王の座を奪われています。
また、TBSは1989年の『TBSビデオ問題』があります。オウム真理教の信者の救済活動を行っていた坂本堤弁護士のインタビュー映像を放送前にワイドショーのスタッフがオウムの幹部に見せたことが発端で、坂本弁護士一家が殺害され、社会問題になった一件です。結果的に、TBSの全ワイドショーが打ち切りの憂き目に遭い、しばらくの間、TBSは朝~昼の視聴率で苦戦しました。
今や、1億総ネット社会です。韓国びいきに対するアレルギー反応と、『嫌なら見るな』の大号令によって、2010年に首位だったフジが4位にまで落ちたのは前代未聞。浮上の気配すらありません」(テレビ局関係者)
ここに、資料がある。9月12~18日の1週間の民放5局の視聴率だ。これを見ると、日テレが安定の1位をキープ。対して、フジもある意味で安定の4位。このまま、テレビ東京が上がってこないことを祈るばかりであろう。
内田アナのレポートがひどすぎる?
さて、そんなジリ貧のフジでは、今、アナウンサーの質の低下が著しいという。
「たとえば、入社4年目の内田嶺衣奈アナ。彼女は夕方の『みんなのニュース』に出演しているのですが、ある日、浅草駅近くの地下街に美食家が通う隠れた名店があるということでレポートに出向いた際、薄暗い地下街を歩くのが本当に嫌そうな表情をしていました。
しかも、店の前で順番待ちしている人に向かって『何……並んでるんですか?』と一言。『どのくらい待ってるんですか?』などとも聞かない。さらには、店内に入って早々に料理が運ばれた際も、店主からの『お待ちどおさま』という言葉に『あっという間、はーい』の返事のみ。“腐ってもフジ”のプライドなのか、それとも元タレントでチヤホヤされていたせいなのか、ひどいものでした」(同)
元タレントを女子アナにするフジの思惑
実は、この内田アナ、入社直前までイトーカンパニーに所属していた元タレントだ。同社は、ともさかりえ、『とと姉ちゃん』(NHK)で三姉妹の次女役を演じていた新進女優・相楽樹らを抱える芸能プロダクションである。そして、内田アナのように元タレントの肩書を持つ女子アナはまだいる。
「内田アナと同期の三上真奈アナです。一時期は“ミカパン”と呼ばれていましたが、彼女もフジに入社する前は、関口宏が会長を務める芸能事務所『三桂』に所属するタレントでした」(同)
かつての高橋真麻(高橋英樹の娘)や現在の藤井弘輝(藤井フミヤの息子)など、フジに2世アナが多いことは知られていたが、さらに芸能プロダクションとのつながりも強化するために、元タレントをアナウンサーに採用していたのだ。これでは、質の低下はまぬがれないだろう。そして、そのわりには、フジは自局のアナウンサーを重宝しないという。
「スペシャル番組で、企画書にMCのアシスタントとして想定されるアナウンサーの名前を書きます。仮に、その企画が通ったとしても、『(アシスタントの)アナウンサーを誰にするか』については一番後回し。結局、気づけば、たまたま空いていたような人が起用されていたりします。そうしたムチャクチャな人事が横行しているのです」(同)
さらに、関係者はフジの内情について、以下のように続ける。
「23時台のニュース番組『ユアタイム』に市川紗椰という女性タレントを起用していますが、彼女は半年たっても、いまだに語尾が聞き取れず、また早口で何を言っているのかわからない。そんな人間を使うよりは、質が低下しているとはいえ、アナウンスセミナーに通っていた面々を起用するほうが、顔を売るという意味でも、よっぽどいいのではないでしょうか。
また、元サッカー選手の永島昭浩氏もよく『噛む』ことで知られていますが、いまだに『みんなのニュースWeekend』のスポーツキャスターとして使われ続けています」
このように、業界の人間から見ても疑問の声が上がるような起用を続ける限り、フジの信頼度と視聴率が上がることはないだろう。かつての栄華を取り戻すのは、いつの日になるのだろうか。
(文=編集部)