「今どきフジテレビだって、あんな企画やりませんよ。“女子アナへのセクハラ”だと評判になっています」(テレビ局関係者)
テレビ朝日の公式YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」が話題を呼んでいる。人気に火をつけたのが、3月から始まった、三谷紬アナが毎回タンクトップなど肌の露出が多い姿でさまざまなトレーニングに挑むダイエット企画だ。すでに累計再生回数500万回を突破し、7月に配信された三谷アナがトランポリンに挑む動画では、“Tシャツの中で胸が踊っている”としてネットニュースにも取り上げられるほど注目を浴びた。
そして三谷アナの企画と同じく人気を博しているのが、弘中綾香アナと林美桜アナが出演する「弘中美活部」だ。13日に配信された動画では、自ら猫背を認める両アナが“美姿勢トレーニング”に励むというもの。2人はTシャツにショートパンツ、レギンスといういで立ちで、両手に持った棒を頭上にかかげて背中を伸ばしたままお尻を下げていく運動や、床に置いたストレッチポールを腰に当てて海老反りで両腕をY字型にして万歳の姿勢を取るストレッチなどを行っている。
この動画は公開から1週間で、すでに再生回数が29万回以上におよんでいるが、いったいどのような内容なのか。
「動画のオープニングでは笑顔の弘中アナと林アナがドアップで映され、本編でも弘中アナはボディラインが目立つピチピチの蛍光色っぽい黄色のTシャツを着用。体を反った際には明らかにTシャツの胸部分にその下に着たアイテムの形が浮かび上がっていたり、お尻を突き出す様子が強調されて映し出されていました。動画最後の次回予告編では、ショートパンツ姿で仰向けになった弘中アナを足の斜め下からとらえた映像も流されるなど、全体の“つくり”がまるでグラビアアイドルのイメージビデオですよ」(テレビ制作会社関係者/20日付当サイト記事より)
テレ朝の焦り
動画が再生回数を伸ばす一方、冒頭の証言のように、その内容が「セクハラまがい」だとして批判の声も広がっているが、テレビ局関係者はいう。
「昨年度、テレ朝は『ドクターX~外科医・大門未知子~』や『相棒』、さらには『ポツンと一軒家』など高視聴率番組を何本も出し、『報道ステーション』も調子がいい。2020年3月期のキー局視聴率調査(ビデオリサーチ調べ、週ベース、関東地区)でも、ゴールデンタイムの視聴率は日テレに次ぐ2位につけています。
ただ、テレ朝の番組は全体的に50~60代以上がメインの視聴者層なので、スポンサー企業がリーチしたい10~30代とズレるため、世間で思われているほどにはスポンサー企業がつきにくいんです。若者の視聴者層をなかなか取り込めていないという焦りもあり、バズるネット動画を流せば手っ取り早くその層を取り込め、うまくコンテンツ化できればお金にもなると考えたのかもしれません。
しかし、その内容といえば、“そっち系に走った”ともいえるレベルの低いもの。食レポで女子アナが大きく口を空けてパクついてもりもり食べる表情をアップで映すシーンがよくありますが、実は男性視聴者に“あるイメージ”を連想させることを狙っている部分もあるのですが、実際に視聴率がピョンと跳ねるんです。それにしても、テレ朝の動画はあからさますぎますよね。
女子アナを起用すれば“タダ”だと考えたのかもしれませんが、確かにかつてフジテレビは同じような手法で、女子アナのタレント化で一時期成功しました。しかし、今、社員である彼女たちにこういうことをやらせるのは、ちょっと時代遅れです」
声をあげた弘中アナ
テレ朝といえば“報道のテレ朝”といわれ、フジなどとは対照的にアナウンサーにはお堅いイメージが強かったが、なぜこうした動画が制作されたのだろうか。
「ウチの局であれば、制作サイドからこういう企画の打診があった段階で、アナウンス部としてOKを出しません。テレ朝はここ最近、小川彩佳や宇賀なつみなど人気アナの相次ぐ退所や、会社の労働組合の民放労連脱退騒動、『報ステ』の元プロデューサーによるパワハラ問題や富川悠太アナのコロナ感染をめぐる一連の対応など、たび重なるゴタゴタがボディーブローのように効いてきて、組織としてタガが緩み始めている。そうした背景も、影響しているのではないでしょうか」(別のテレビ局関係者)
さすがに当人である女子アナたちも違和感を覚えているのか、19日発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、弘中アナが「制作スタッフは私達の将来を無視して、バズらせるためだけに動画を作ってる」というメールを局のプロデューサーや女子アナに送信していると報じた。
「慶應義塾大学法学部出身で、もともと総合職志望だった弘中アナにしてみれば、アナウンサーである自分がネット動画で体のラインを強調するようなウェアを着せられて、胸やお尻を突き出したり足をおっぴろげたりといったことをやらされれば、会社に反感を抱くのは当たり前でしょう。
普通に考えて、局アナが社員にこんな内容のメールを送るというのは、“会社を辞めてもいい”くらいの覚悟がないとできません。今や全局の女子アナのなかでトップクラスの人気を誇り、以前から業界内では近々フリーに転身するという情報もくすぶっているだけに、今回のメール騒動でいっそう退所説が現実味を帯びつつあります」(別のテレビ局関係者)
テレ朝と弘中アナの動きが注目される。
(文=編集部)