社会人であれば、誰もがPDCA、あるいはPDCAサイクルという言葉を知っているはず。特にマネジメントに関わる人であれば、「Plan(計画、設計)」「Do(実行、実践)」「Check(評価、検証)」「Action(改善、調整)」というこのプロセスを日々の仕事に採り入れている人も多いだろう。
しかし、あなたのPDCAは、きちんと結果に結びついているだろうか?
おそらく、「回しているが、うまくいっていない」という人も、それなりにいるはずだ。では、そんな人は何がいけないのだろうか?
結論から言えば、PDCAという方法自体に罪はない。結果が出ない原因は、組織の体質に問題があるか、あなたのやり方に問題があるか、その両方か、どれかだ。
■こんな会社ではPDCAが回らない!
経営コンサルタントの藤原毅芳氏は、『図解でわかる! 回せるPDCA』(秀和システム刊)の中で、組織によっては、たとえPDCAを回したとしても機能しないとしている。
これは主に組織側の問題で、マネジメント側と非マネジメント側に心理的な対立がある会社は、PDCAを回しても効果となって表れにくい。
心当たりがある人は多いだろうが、組織として一つの目標地点を掲げていても、その中にいるマネジメント層とそうでない人の利害関係は必ずしも一致しない。
極端な話だが、視点の高いマネジャーが組織として向かうべき方向を理解し、そこに向けてスタッフの目線をそろえようとしても、現場スタッフの頭の中は「そんなことより早く帰りたい」かもしれない。この違いをマネジメント側がわかっていないと、社内での立場の違いが心理的な対立と不信感に結びつきやすい。
そして、双方の間に生まれた溝は、互いへの不理解と情報共有の齟齬となって表れる。こうなるとPDCAを回すこと自体が難しいだろう。社内に対立構造がある限り、PDCAを回そうとしても、うまく回らないのだ。
■組織と個人の成長を阻害するまちがったPDCA
ただ、組織の側に問題がなくても、PDCAが効果を発揮しないなら、それはほかでもないマネジャーの問題だ。
というのも、PDCAとは「スキル」であり、だからこそ上手下手がある。PDCA全体を高速回転させるにも、押さえておくべきポイントが存在する。
例えば、計画の立て方が間違っていれば、目指すべき方向に進まず、進んだとしてもスピード感が足りないかもしれない。また、評価、検証のスキルが抜け落ちていれば、その後の改善がおぼつかなくなるだろう。
「Plan(計画、設計)」「Do(実行、実践)」「Check(評価、検証)」「Action(改善、調整)」のどの段階においても、欠かせない要素と必要な行動があり、すべてが身について初めて成果と結びつくのだ。
思い返してみてほしい、自身の「Plan(計画、設計)」の中に、「努力目標」と「必達目標」の両方を盛り込んでいないだろうか。1カ月の売上目標を、年間売上目標を12分割して設定していないだろうか?
心当たりがあるなら、PDCAのスキルと方法論を学び直してみるべきかもしれない。本書はそのための格好の教材として、あなたも組織も大きく成長させてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。