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日本の結婚式にいる神父は「本物」なのか? 知られざる日本の結婚事情

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 結婚式シーズンまっさかりの6月が終わり、7月に入りましたが、実は7月は結婚式の「穴場」。「オフシーズン」ということで、希望通りの日程で式場を押さえられたり、費用を比較的安く済ませられたりするのだそうです。

 ところで、結婚式で一般的になのが、式場に付属した「チャペル」を利用するパターン。神父さんや牧師さんの前で誓いを立てる新郎新婦を見たことがある人、あるいは自分も経験したことがある人は多いはずです。

 このチャペル結婚式について、こんな疑問を持ったことはありませんか?

「この神父さん(牧師さん)は『本物』なの?」

■キリスト教徒ではない日本人が「ニセ牧師」の前で誓う、世にも奇妙な日本の結婚

『「宗教」のギモン、ぶっちゃけてもいいですか?』(実務教育出版刊)で、宗教学者の島田裕巳さんが説明するところによると、結婚式場が運営するチャペルは正式な教会ではないため、そこにいる神父も牧師は本物の聖職者ではない、とのこと。

 もちろん、式場によってはブライダル宣教団(牧師や聖歌隊を派遣する団体)を通じて教会から「本物」を派遣してもらったり、高齢で引退した牧師と契約しているケースもありますが、どちらかというと少数派。多くの場合は、神父でも牧師でもないアルバイトの外国人を雇い、司式を行っているといいます。

「大半がキリスト教徒ではない日本人が、キリスト教式の結婚スタイルを選び、神父でも牧師でもない、格好だけの聖職者の前で結婚の誓いをしている」と考えると、日本の結婚事情はなかなかに珍妙なものだといえますが、宗教自体に無頓着な人の多い日本ですから、あまり気にされないことが多いのかもしれません。

 ひとつ、新郎新婦の晴れの日のために駆けつけてくれた外国人の名誉のために付け加えると、キリスト教の教会法では、「使徒座」というところからの認可があれば、信徒が聖職者に代わって結婚に立ち会うことは可能です(どれほどの人が認可を受けているかは不明)。ただ、「自分の結婚式は、きちんとした聖職者を呼んでほしい」という人は、その旨式場に相談してみるといいかもしれません。

『「宗教」のギモン、ぶっちゃけてもいいですか?』には、宗教にまつわる「そういえば、コレどうなってるの?」という疑問や質問に、島田さんが答えていく一冊。

 普段知ることのない宗教の世界を覗き見てみると、意外な発見があるかもしれません。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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