SNSで話題になり、人気が出ると、必ずと言っていいほど現れる「アンチ」。こうした「アンチ」から批判を浴びたとき、当人はどんな気持ちになるのだろうか。そしてその批判にどう対処しているのか。
「お笑いと言えばふんどしやろ!」とふんどしに赤いTシャツを着て、時事問題について思いのたけを叫ぶYouTubeで動画でおなじみの「ふんどしおじさん(せやろがいおじさん)」も動画を配信するごとにたくさんの批判を頂戴しているという。
■人気Youtuberが語る「アンチコメント」への対処法
沖縄でお笑い活動をしている芸人であり、人気Youtuberのせやろがいおじさんが、社会問題や政治について、ネットや人との向き合い方を紹介するのが、『せやろがい!ではおさまらない 僕が今、伝えたいこと聞いてくれへんか?』(せやろがいおじさん著、ワニブックス刊)だ。
Twitterフォロワー30万人、YouTubeチャンネル登録数は32万人(2020年4月時点)を超える人気ユーチューバーとなったせやろがいおじさんだが、心をえぐられるような批判の数々に「これ、ちょっと心に来るな」と、気持ちが揺れた時期もあったという。そこで「こうした批判について、自分なりの考え方をしっかり持っておかないと、コンテンツは長続きしないだろう」と考えた。
自分なりの考え方を確立するために、せやろがいおじさんはまず批判コメントを3つにカテゴライズするという。
1つ目は、「ただ悪口を言いたいだけ」なもので、俗に言う「クソリプ」。これに真摯に向き合っていると、当然心が疲れる。ただ文句を言いたい人に関しては完全スルーし、相手にしないようにする。
2つ目は、真っ当な意見や指摘。情報の間違いを正しくしてくれるコメント。こちらは、きちんと受け止めることで新しい発見がある。自分自身の考え方をより良いものに更新していく材料になる。自分の間違いと向き合い、痛みと向き合う覚悟は必要。
3つ目は、「言いたいこと、批判したいことがあるのはわかるけれど、言葉が汚い」というタイプの批判。この場合は、どんなに真っ当なことを言っていても、クソリプの要素が入っていたら完全にスルーするとせやろがいおじさんは決めている。
ただ、いくらカテゴライズしても、やはり汚い言葉での批判は傷つくもの。人間は、たとえ100個のお褒めの言葉があっても、たった1個の批判の言葉があったら苦しくなる生き物だ。これは人間の生存本能として脳に組み込まれているシステムであり、仕方のないものだ。
だから、たった一つの否定的な言葉で落ち込んでいる自分に対して「メンタル弱いな」とさらに落ち込む必要はない。そうではなく、「これは、そういう脳のシステムなんだ」と割り切ること。そう自分の中で自覚しておくことが大切なのだ。
「もし僕の動画やこの本を読んで、何かを知るきっかけとして、色々なものを調べたり、誰かとその話をしてくれるようなことがあれば、それはすごく嬉しい」とせやろがいおじさんは語る。東京五輪やコロナ渦、辺野古基地などの社会問題や政治に興味をわかりやすく知ることができる本書。ネットとの付き合い方も学べる1冊だ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。