他人に振り回されず、他人との違いに焦らず、必要以上に人間関係に思い悩まない。他人ではなく「自分」を基準に生きている人は、いつも堂々としていてかっこいい。
ただ、これはやってみるとすごく難しい。自分に関係する物事の判断を人に委ねてしまったり、誰かの言いなりになってしまったり、嫌いな人のことが頭から離れなかったり、といったことは誰の人生にもあるからだ。そしてそういう時間が多いほど、人は自信を失っていく。
「自分に忠実に、堂々と、確かに生きる。そうすれば、先の見えない時代も、指針なき時代も、自分を見失わずに歩むことができます。」
自著『やるか、やるか 超ストレスを一瞬でゼロ化する方法』(KADOKAWA刊)でこう語っているのは、PROフィジーカー、YouTuberとして活躍しているJINさん。「筋トレが好き」という本能に忠実に行動し「筋肉で飯を食う」という夢を実現した彼が大事にしている価値観とはどのようなものか?
■他人に振り回されがちな人が唱えるべき言葉
「あの人とソリが合わない」「彼とは一緒にいたくない」といった好き嫌いは誰にでもあるもの。そして、気持ちが優しく繊細な人ほど、嫌な人がいるとその人のことばかり考えてしまう。
そんな時は心のなかで「自分が一番」と唱えてみよう。
嫌いな人、苦手な人のことばかり考えている時は、自分より相手が先に来ている状態。具体的な接触がなくても、相手に振り回されている。
まずは自分のやることをしっかりと。それが他人に振り回されない第一歩なのだ。
■「競争心」は自分に向けろ
自分に忠実に生きるといっても、誰かと競い合う心はやはり必要なもの。ただし、その競争心は、あくまでも自分に向けるべきだとJINさんは言う。
他人に向いた競争心は、自分より優れた相手に対して嫉妬したり、うらやんだりするだけで、自分を成長させるエネルギーにならない。相手に勝ちたいならば、わが身を振り返って、相手に何が劣っているかを考えなければいけない。つらい作業だが、それが競争力を自分に向けるということだ。
■他人はあなたに興味がない。ならば批判はどこまで聞くべきか
仕事でもプライベートでも、誰かから批判されたり、耳の痛い意見を言われた経験は多くの人が持っている。
真面目な人ほど「この人は自分を思って言ってくれているんだ」「言われるうちが花」と考えて、言われたことを正面から受け止めようとしてしまう。しかし、本当にあなたのことに興味をもって、あなたのことを熟知したうえで意見を言ってくる人がどれだけいるか、考えたことがあるだろうか?
ごくごく表面的な付き合いで見えたあなたの欠点らしき部分を深く考えずに指摘しただけかもしれないし、あなたの事情を知らずに発言しただけかもしれない。そんな浅い意見に振り回されて自分を見失うのはもったいない。
基本的に、自分のことを一番知っているのは自分だ。周りの人は自分のことなどわかっていないし、興味もない。そう割り切れば、対人関係は楽になる。そして、周りの人の意見をどの程度真剣に受け止めればいいかわかるはずだ。
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JINさん自身も他人に振り回され、自分より優れた誰かに嫉妬した苦い経験があるという。本書で明かされている自分軸で生きるためのメンタル作りや心身の整え方、行動力の磨き方、対人関係のコツは、そんな経験を乗り越えるために自分と向き合う過程で手に入れたものなのだろう。
一見厳しい言葉が並んでいるようで、深い考察に裏打ちされた本書。他人に流されがちな人や周りから遅れをとるのに恐怖感を覚える人にとっては、まちがいなく視界がクリアになり、毎日がラクになるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。