インターネットを通して誰もが自由に発信できる時代になり、商品やサービスを売りたい企業や個人もSNSを活用することが当たり前になった。
だが、その一方で「モノの良さ」をアピールするだけでは売れなくなり、「売ろう」「こう書けば売れる」という意図が透けて見える文章やキャッチコピーは、購買者から見透かされてしまい、差別化が難しくなってきている。
これからの時代に強いのは「モノの良さ」で売るよりも、「この人が売っているものなら何でも欲しい」という、「人で選ばれる」個人や企業だ。そのため、キャッチコピーや言葉には、「言葉に人間性を載せる」ことが大事。
人に好感を持ってもらい、人を動かす文章を書くのに必要なのは、「らしさ」を伝えることなのだ。
■売れ続けるためには「人間性を伝える」
『自分らしさを言葉にのせる 売れ続けるネット文章講座』(さわらぎ寛子著、ぱる出版刊)は、コピーライターのさわらぎ寛子氏が、「この人が売っているものなら何でも欲しい」と思わせるような文章の書き方を紹介している。
なぜ、人間性を伝えることが大事なのか。それは、ずっと売れ続ける人になるためだ。人間性を文章に載せることで、一時的に売れるのではなく、お客様に長く愛される人や会社になる。
人間性を文章に載せるには、「誰に、何を、どうやって」を決めることが大切。
たとえば、「誰に」書くか。これを決めることは、「万人に向けて書いた文章は、誰の心にも刺さらない」「この人のために役立ちたいと心から思えるお客様に出会えるから」という意味で重要だという。
情報があふれているSNS時代には、「自分にとって価値がある」と思われないものは見向きもされない。一方、興味があれば、わざわざ検索して情報を取りに来てくれる。なので、読んだ人が「何でこんなに私のことがわかるの?」と感じるような文章を書ける人が強い。一方で、万人に向けて書いた文章は、誰の心にも刺さらないのだ。
また、「集客や売り上げにつなげたい」という思いが強すぎると、数を増やすための文章を書いてしまいがちになる。すると、本来読んで欲しい人には届かないという。
読み手が「まるで私の気持ちを代弁してくれているようだ」「私が知りたかったのはまさにこれだ」と思うからこそ、もっと知りたい、この人の情報をフォローしようと思うものだ。そのためには、こんな人のために書きたい、こういう人たちに届けたいという人を書き手がしっかり設定して書かないと、本来届けたい人に届く文章は書けないのである。
売れるノウハウを駆使して一時的に売れるのではなく、長く愛され続けるためにどうすればいいのか。本当に伝えたい部分を「誰に、何を、どうやって」を決めて、自分の言葉で書くこと。自分という人間で選ばれるための文章の書き方を本書から学んでみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。