営業先でどんな熱弁をふるっても「不況」という名のもとに、「予算がないから」という理由で断られてしまう。自社商品やサービスを見られる目はよりシビアになって、なかなか成約しない…。
■良い商品、良いサービスを作っても売れない
■優秀な営業マンを育てても売れない
こうした壁にぶつかって、どう手を打てばいいか考えあぐねている企業も多いはず。では、どのようにこの壁を突破していけばいいのでしょうか。
『小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方』(かんき出版/刊)の著者、コンサルタントの北岡秀紀さんは、売り込みをしなくても、自然に売上がのびていく新たな“方程式”「ABCシステム」を完成させました。これは、どんなものなのでしょうか。
■営業プロセスを3つに分解しよう
「ABCシステム」のABCはそれぞれ以下の言葉を示しています。
A:Attract(アトラクト)
B:Build【ビルド)
C:Convert(コンバート)
流れにそって、ひとつひとつ説明していきましょう。
「Attract」は、たくさんのお客さんを魅きつけるステージにあたります。
商品に関して「無知」「無関心」なお客さんに対し、幅広くアプローチを仕掛け、もし今すぐのニーズがない人でも「見込み客」として連絡先を獲得し、いつでも連絡が取れるようにしておきます。
続いての「Build」は、お客さんとの信頼や自社の立場を構築するステージです。「うちには解決しなきゃいけない問題なんてないよ」という人にも、実は解決しなければいけない問題があることを認識させるのです。
ここで大切なのは、問題を解決する商品を取り扱うあなたの会社が、お客さんの“先生”になるということ。お客さんの琴線に触れるコンテンツを提供し、問題があったとき、ここに相談したら真摯に解決してくれそうだと思わせるのです。そうすれば他社との価格競争に勝てる価値を提供できるはずです。
最後の「Convert」は実際に商品を購入してもらうステージです。
一般的にはクロージングにあたる部分ですが、ここまでの段階で充分信頼ができあがっているはずなので、さほど難しくないはずです。ここで大切なのは、専門家として、自社の商品がお客さんのニーズに本当に合っているのか、一緒に確認してあげること。その上で、自社商品が相手の要件を満たすことができたときに、商品を購入してもらうのです。
■仕組み化すれば小さな会社でもどんどん成約できる
このシステムの強みは、「AB」が自動化できてしまうことです。
まず、AはウェブやFAXなどで情報を発信するのですが、内容や拡散方法を工夫すれば、そこまで労力をかけずにできるはずです。さらにコンテンツの「無料プレゼント」で見込み客かどうかを判断します。
続いてBでは、見込み客に対して自社のコンテンツを提供します。コンテンツ制作にあたっては自分が「先生」の立場で、信頼関係が構築できるかどうかをよく考えましょう。メールや会報誌、ダウンロード音声などでフォローアップすることも重要です。
そしてCで初めてお客さん個人と向き合いますが、ここまでくれば、かなりの確率で成約できるはずです。営業マンが少ない小さな会社でも、この仕組みがうまく回せれば、売上はどんどんのびていくはずです。
本書には巻頭と巻末にそれぞれ、「ABCシステム」を導入・実践するための18のワークシートと、本書の内容が7分で理解できるレクチャー動画やウェブサイトのテンプレートなどがダウンロードできる「無料プレゼント」URLが掲載されています。
営業の壁にぶつかっている経営者の方は本書のワークにそって、商品・サービスが売り込まなくても自然に売れていく仕組みを作ってみてはいかがでしょうか。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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