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上司の評価は偏見だらけ! 自分が損をしないためにすべきこと

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 会社員にとって、自分が会社で出世できるかどうかは一生を左右する大きな問題だ。今の会社に骨を埋める覚悟という人はもちろん、転職してキャリアアップを目指す人にとっても、役職は「武器」に違いない。

 となると、肝心なのは社内でいかに評価されるかだが、人事評価というものは結局のところ「完全に公平」にはならない。評価制度がどれほどフェアであっても、実際に評価するのはさまざまな心理バイアスがかかる人間だからだ。出した成果が同じなら評価者である上司の印象がいい方が高く評価されるのはもちろん、時には自分より成果が劣っている人間が自分より高く評価されるケースも出てきてしまう。

 評価者は神ではない。まちがいもすれば偏見に左右されることもある、ただの人間なのだ。

■どんな上司でも「実力以上に高く評価するツボ」が存在する

 ならば、出世を目指す人がやるべきは、「目の前の仕事で成果を出す」ことだけではなく、自分を評価する人間がどういう傾向を持ち、どんな人間を評価するかを知ることだ。

 たとえば心理学の有名な用語に「ハロー効果」というものがある。肩書や学歴などがわかりやすいが、ある一つの特徴がその人の評価に影響を与えてしまうことを指す言葉である。

 「肩書きや学歴が評価される時代は終わった」というのは確かだろう。しかし、自身がそうであるという理由で「野球のキャッチャー経験者」を買う野球好きの上司がいるかもしれないし、「博識だから仕事ができるはず」という理由で歴史に詳しい人間を評価する上司もいるかもしれない。そうした「実力以上に高く評価してしまうツボ」は、多かれ少なかれどんな人でも持っているのだ。

 そのツボは「字が丁寧な人」かもしれないし「多少雑でもとにかく仕事が速い人」かもしれない。なんにせよ、自分を評価する上司がどんな人間を高く買うのかを把握しておくことは、社内での評価を高めるために必要になる。

■上司の評価・査定で損をする人、得をする人

 多くの会社では半期ごとや四半期ごとに社員の査定・評価が行われ、その評価が昇進や給与、賞与に反映される。

 営業であれば成績が数字で出るため評価はしやすい。しかし、営業にも数字に表れない貢献はあるし、そもそも仕事ぶりが数字で表れない職種も多い。こうした仕事に対しては、評価者である上司が部下の仕事ぶりを見て、総合的に評価することになる。

 ここで疑問として浮かぶのは「評価者は評価期間内の部下の仕事ぶりをすべて覚えているのだろうか」ということだ。つまり半期ごとの評価であれば、半年前に起きたことを、一カ月前に起きたことと同じように記憶し、同じように評価できるのかということである。

 もちろんそれができる上司もいる。しかし大半の上司はそうではないはずだ。自分の仕事が多忙な中で、部下それぞれの働きぶりを半年間細かに追い続けるというのは、誰にでもできることではないだろう。

 ここで言いたいのは「評価の時期が近づいた頃にがんばって、上司に強く印象づけるべき」ということではない。「遠い過去の出来事より直近の出来事が強く印象づけられる」ことで自分が損をしないようにすべきということだ。

 『社内評価の強化書: 上司の“評価エラー”を逆手に取る出世の法則』(森中謙介著、三笠書房刊)では、そのための方法として、上司と一カ月に一度、一対一で話す場を設け、自分の仕事の進捗や改善点、目標などを報告し、アドバイスを受けることを提案している。これによって評価期間全体を通して自分の仕事ぶりを知ってもらい、評価時に直近の仕事ぶりだけで判断されるのを防ぐことができるというわけだ。

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