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繁盛店の宿命? 刺客が次々と登場! ケニアでレストランを作った男の奮闘記

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※画像:『ちょっとケニアに行ってくる アフリカに無国籍レストランを作った男』(彩流社刊)

 野球選手の大谷翔平選手やテニス選手の大坂なおみ選手をはじめ、世界で活躍する日本人は多い。


 40年以上にわたって世界各地を飛び回り、料理人として活躍するフュージョン料理(無国籍料理)研究家の池田正夫氏もその一人だ。


 池田氏の著書『ちょっとケニアに行ってくる アフリカに無国籍レストランを作った男』(池田正夫著、彩流社刊)は、世界を飛び回るそんな彼の汗と笑いの人生奮闘記である。

 

■20カ国で料理の腕をふるい、ケニアでレストランを開店


 池田氏は24歳で日本を飛び出し、30年間、ヨーロッパやアフリカなど、20カ国で料理の腕をふるってきた。


 1996年、ケニアで600坪の雑木林を切り開き、林庭つきレストラン「シェ・ラミ」を開店。友人の家に招かれたように、くつろいで楽しいでもらいたいという願いを込めて、フランス語で「友だちの家」という意味の店名をつけた。もともとの専門分野であるフランス料理に加え、店のディレクターであり、ケニア人の妻に「ナイロビには日本人もいるのだから、和食も入れた方がいいわよ」と言われ、和食も含めた和洋中料理の店になったという。


 レストランが繁盛すると刺客が送り込まれるのが人気店の宿命なのだろうか。「シェ・ラミ」にも続々と刺客が送り込まれるようになる。


 この刺客たちを退治してくれたのが、ケニア人の妻だった。


 料理の中に虫を混入させ、「これはいったい何だ」と怒鳴って金を払わずに帰ろうとする客をつかまえ、「虫を皿に入れたのはあんたじゃないか。ウエイターが見ていたわよ。しかも、皿の中身はきれいに食べてしまっているわよ」と言って、実行犯に請求書を見せつけて払わせるのだ。


 さらに「料理がまずくて金が払えない」と言う客も妻が撃退。新聞に写真入りで「シェ・ラミ」の悪評が載ることも。その写真に写っているのは別の店の料理で、こういった嫌がらせもよくあることだったという。


 そんな「シェ・ラミ」は、現地の日本人やケニアの人々から愛されるレストランとして繁盛した。しかし、2009年にケニア内乱のために営業不可能となり、池田氏は帰国した。


 ◇


 料理の腕で世界を駆け巡り、活躍してきた池田氏の人生がつづられた本書。大胆不敵、無謀、無計画――そんな池田氏が海外で奮闘する姿を読むと、生き生きとしたエネルギーが注がれてくるようだ。(T・N/新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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