ビジネスシーンで相手を納得させるには何が必要か。それは数字だろう。いくら「今月はがんばりました」と主張したところで、頑張りが見えなければ、相手に納得してもらうことは難しい。
なので、数字を使って、相手が納得するように伝えることが大切なのだ。
『マンガでわかる デキる人は「数字」で伝える』(深沢真太郎著、秋内常良シナリオ、石野人衣作画、幻冬舎刊)は数字を使って物事を伝える方法を教えてくれる一冊だ。
ビジネスにおいて、規模感が分かればそれで十分なときがある。重要なのは、みんなが同じようなイメージを持てることだ。だから、漠然としたモノを誰もがわかる「量」に置き換えることが大切になる。
しかし、まだスタートしていないものの規模感をいかに設定すればいいのか。そのためには、仮に決めていくことが大事だ。
たとえば、「カフェ1日の平均売上高はいくらか?」を仮に決める場合、まずは店内で飲食する人と持ち帰りの人の2種類にお客さんを分ける。
続いて朝、昼、夜の時間帯によって使う金額が変わるので、混み具合、店内の回転、客単価でそれぞれ想像して、モレなくダブりなく整理し、簡単な表にする。
次に、「多い」「ふつう」「少ない」といった言葉を具体的な量にしていく。そして、最後にコーヒーなど飲み物だけ頼む客は400円、ケーキやドーナツなどもう1品頼む客は800円と仮定し、計算する。
こういった情報をもとにして1日の平均売上高を概算するのだ。
量になっていないものを量で表すことを「定量化」という。定量化するステップは「モレなくダブりなく整理」「量になっていないモノを量にする」「短時間で総量を捉える」という3つ。
ここで大切なのは、計算の答えが合っているかどうかではなく、このような手順で問題を考えることができるかどうか。そして、それを短時間でできるかどうかが大切であるという。
数字は「コトバ」であり、コミュニケーションに使うツールでもある。相手と同じイメージを持つことができ、世界中で使うことができる。特に、ビジネスのように考え方も行動パターンも違う人が一緒になって何かを進めていく場合には、強みを発揮する。
説明がうまくできない、伝わらない、相手を納得することができない、こういった悩みを抱えているビジネスマンは、数字をコトバとして捉え、数字で伝える技術を身につければ、解決するかもしれない。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。