何をやらせてもソツなくこなす人でも、「これだけは苦手…」と思っていることが多いのが「文章」です。
伝えたいことが上手に伝えられない、言葉が頭に浮かばない、書いているうちに自分でも何を言っているのかわからなくなってくる…など、文章を苦手にしている人の悩みはさまざまですが、仕事でもプライベートでも、「書かなければいけない」場面はあるもの。早いうちに克服しておいて損はありません。
『6分間文章術――想いを伝える教科書』(中野巧/著、ダイヤモンド社/刊)は、文章を苦手にしている人に向けて、相手の心に届く文章の作り方を教えてくれます。
今回はその中から、相手の共感を呼ぶ文章に必要な要素を紹介します。
■ゴールの設定
どんな文章にも、それを書くことで達成したい「ゴール」があります。
これは、その文章を書く動機とも重なりますので、書く前にできるだけ具体的に決めておく必要があります。
■読み手のハッピーを考える
あなたの文章を読む人が幸せな気持ちになっているところを想像し、そうなるためのメッセージを考えます。ひとりよがりな文章を書かないためにも、読者を設定して、どうすれば喜んでもらえるかを想像してみましょう。
■相手に望む行動を提示する
文章を読んだ相手にどんな行動を取ってもらいたいのか、あなたが望む出口を明らかにしましょう。これがないと、「ただ書かれているだけ」という、散漫な印象を与えてしまう可能性があります。
■ネガティブな反応を予測する
どんな文章を書いたところで、100%相手の心に届く保証はなく、あなたの文章がネガティブに捉えられてしまうことも当然起こり得ます。そんな時のために、あらかじめ想定しうるネガティブな反応を想像して、それらに対するケアの文章を入れておくことで、自分の文章を好意的に捉えない人をねぎらうことができます。
■ストーリーの力を借りる
簡潔で丁寧に書けていても“つまらない”文章は最後まで読んでもらえなかったり、読む人の記憶に残らなかったりします。
これを避けるために、文章をちょっとしたストーリー仕立てにすると、文章を読む時に相手が抵抗を感じにくくなるので有効です。
■「論理・感情・自分らしさ」のバランスを考える
論理一辺倒の文章は堅苦しくなりますし、感情だけが強調されている文章は押しつけがましいもの。文章を書く際はこれらのバランスを整える必要があります。
さらに、論理と感情のバランスに加えて「自分らしさ」も意識して入れることができれば、親しみやすい文章になるはずです。
■自分の望む世界観を書く
これは少し難しいかもしれませんが、自分独自の世界観を書くことも、人の心を動かし、共感を呼ぶ文章に大切な要素だといえます。
自分の主張や思いが何に基づいたものなのかが相手に明らかにされないと、説得力に欠ける文章となり、相手の共感を得ることはできないのです。
今回紹介した7つの要素はどれも重要ですが、全てを備えていなければ人の心に届く文章にならないというわけではありません。
本書には、これらの要素を独自のチャートを使って組み合わせ、文才がない人でも説得力に溢れ、人の気持ちに訴えかける文章を作る方法が解説されています。企画書や提案書、結婚式のスピーチ原稿など、文章作成で苦労したことのある人は、一度試してみると「いい文章を書くには才能が必要」という先入観がなくなり、苦手意識を払しょくできるはずです。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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