これからの社会で必要とされるのは、どんな人なのか? 頭のいい人とは、どんな人なのか?
回答の一つをあげるとするならば、それは「思考力」のある人だ。それは単に「物知り」ではない。ネットで調べればいくらでも情報を得られ、AIは人間の何億倍も記憶できる。これからの時代は「知識量」ではなく、「思考力」が求められる。
では、どうすれば思考力を身につけ、磨くことができるのか。
現役東大生の西岡壱誠さんが執筆した『東大ドリル』(ワニブックス刊)は、なぞなぞや身近なテーマを題材にした問題で、「思考力」を身に付けるための5つの能力「情報処理力」「読解力」「客観的思考力」「論理的思考力」「アイデア力」を段階的に鍛え、総合的な「思考力」を身につけることを目的とする一冊である。
■思考力を鍛えれば少ない情報でも解が出せるようになる!
さて、先にもあげた5つの能力を鍛えれば、一つの問いに対して知識が不足していなくても解ける場面が多くなる。
例えば本書の冒頭には、「牛乳は北海道で生産されているイメージが強いが、東京のスーパーなどで売られている牛乳は群馬県や栃木県など北関東で作られたものが多い。それはなぜか?」という問題が用意されている。
さて、あなたの考えはどうなっただろうか?
これを5つの能力と重ねるとこんな風に考えることができるだろう。
情報処理力…「北海道ではなく北関東」
読解力…「北関東と北海道の違いがポイント」
客観的思考力…「北海道を引き合いに出した出題者の意図は?」
論理的思考力…「北関東と北海道の違いと、牛乳の特徴とを結び付ける」
アイデア力…「北関東は東京から近いけど、北海道は遠いから牛乳が腐るのでは?」
問題から情報を読み取り、質問者の意図を推察し、アイデア力を働かせる。なんだか頭をかなり使いそうだが、この思考力を高めれば、解けない問題でも解けてしまうことがあるのだ。
この牛乳をめぐる問題は本書の入り口として用意されたもの。中に進んでいくとさまざまな問題が読者を待ち受けており、西岡氏は、本書の問題で目一杯悩んでほしいと述べる。なぜなら、悩めば悩むほど頭を働かせることになり、「思考力」を鍛えることができるからだ。
また、もちろん本書は学生だけでなく、ビジネスパーソンにとって大いに有効だ。「新米YouTuberのあなたが『10万再生』を突破するには?」「男性にも化粧品を買ってもらうには?」といったマーケティング的なアイデア力を求められる問題もある。
これからは持っている情報や知識をどう活用するかという「アウトプット」が求められる。そのためにも本書の問題でたくさん悩んで「思考力」を身につけるべきなのだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。