優良ホワイト企業入社組はわずか1%?ブラック企業と向き合い、抜け出す方法とは?
仕事柄、普段からいろんな論者のブラック企業論に目を通している中で、しばしば「ブラック企業でも学べることはある」「覚悟して働く者もいる」的な擁護調の論説に出会う。それ自体は、私自身も経験者として賛同するところも多いのだが、興味深いのはそういった主張に対して、読者からの反発が強烈すぎることだ。
例えば、先日「ニコニコニュース」に載った「『使い捨て』の何が悪いのか 覚悟を持って働く若者もいる」という記事。これはもう炎上といってもいい反応であった。
・クソみてぇな記事だな
・ブラック肯定とか恨まれそうな記事かいてんなー
・この記事書いた記者フルボッコwww 馬鹿なこと書くと叩かれるいい見本。 ユニクロと一緒に死ねばいいと思うよ
・内容のほとんどがこの記者の妄想。読む価値なし
……などなど。1700件近くついているコメントを見ていくと、興味深い指摘もありつつ、明らかに記事をよく読まずに感覚的に反応しているものもあり、記者への同情を禁じ得なかった。
厳密には主張が異なるが似たような内容で、元インテリジェンス社長・鎌田和彦氏のブログ記事「黒色」への反応も、また興味深いものであった。趣旨は次のとおり。
・社員の使い捨てとか、違法な行為はもちろんダメ
・ただ「会社の成長」や「個人の能力向上」を望むなら、厳しい職場環境を覚悟しなければならない
・それがイヤなら辞めればよい。その自由もあるはずだ
・「長時間労働」=「ブラック」=「悪」と批判している人は、「努力」=「搾取」と捉えている短絡的な考えである
読者層の違いもあろうが、こちらは全面的に支持されていたのだ。
・強く共感
・知りもしない人や会社を非難する人の心理は、ほとんどが妬み、嫉妬だと思う
・全面的に同意!
・一時代を築いた経営者は、やはり優秀な方が多いですよね!!
●真のブラック企業とはいかなるものか
確かに「ブラック=無条件で悪」と脊髄反射的に批判されては議論が進まない。ここではいったん、「ブラック企業擁護論反対派」(わかりにくい表現で恐縮だが)がやり玉に挙げる「労基法違反かどうか」という観点は脇においておき、「報酬」という切り口から考えてみたい。
まず仕事の報酬を、時間軸で分けてみる。
(1)今もらえる給料
(2)将来得られる可能性のある給料、スキル、キャリア、中長期的な市場価値…など
次に、仕事も分けてみよう
(1) 業務量(時間的にハードワークか、楽か)
(2) 難易度(内容的にプレッシャーがあるか、楽か)
そうすると、いくつかの象限に分かれた企業像が浮かび上がってくる。
○超優良ホワイト企業
仕事が楽(残業なし/プレッシャーなし)
給料高い
終身雇用で将来安定
→既得権益を独占している会社など
○優良ホワイト企業
仕事はややハード(ハードワークだが残業代あり/プレッシャーなし)
給料高い
終身雇用で将来安定
→トップシェア商材がある会社、インフラ系など
○超優良ブラック企業
仕事はハード(ハードワーク/プレッシャーあり)
給料高い
将来的な市場価値高い
→戦略系コンサルティング会社、外資系金融など
○優良ブラック企業
仕事はハード(ハードワーク/プレッシャーあり)
給料安い
将来的な市場価値高い
→実力あるIT系や人材系、サービス系のベンチャー企業など
○真のブラック企業
仕事はハード(ハードワーク/プレッシャーあり)
給料安い
スキルにならない
→中小零細の人材使い捨て企業