突然だが、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は、毎日皿洗いをしているという。
なぜ彼が皿洗いをするのかというと、皿を洗うことによって日頃の「仕事脳」から離れ、脳がリフレッシュできるから。さらに、仕事のタスクやさまざまな悩み事からも解放され、新しい思いつきやひらめきが得られることも。
実は、世界のビジネスエリートは家事を率先してやっていたのだ。
『家事こそ、最強のビジネストレーニングである』(堀宏史著、フォレスト出版刊)は、家事をビジネスと考えるメソッド「ビジ家事」を紹介している。
「ビジ家事」とは、仕事をやるように家事をこなすことで、驚くほど家事がうまくいくメソッドであると同時に、ビジネスに必要なスキルを向上させるトレーニングになるという。
部屋の片づけから「ビジョニング力」を修得する
家事をすることで、ビジネススキルが向上する。一体はどういうことか。
家事を通して身に着く能力の一つが「ビジョニング力」だ。
たとえば、片付いていない部屋の状態を見て、嫌だなと思いつつもなかなか片付けられないのは、「理想の未来」をイメージできていないから。「こういった部屋にしたい」という理想を自分の中でイメージすることが、理想の状態に片付いた部屋に近づく第一歩となる。
部屋の未来のビジョンがあると、理想の姿に近づけるためのモチベーションが生まれる。そして、理想の部屋を具体的にイメージし、現実と理想のギャップを感じてみる。このギャップが見えてくれば、あとはギャップを埋めるやり方を実行していけばいい。
続いては、そのビジョンを実現するためのプランニングが必要だ。頭の中で「どういう順番でやろうかな」「こういう準備が必要だな」とシミュレーションできれば、作業もスムーズにストレスなく進行することができる。あとは、自分のプランニングに従って作業を進めていくだけだ。
部屋の掃除で鍛えられたビジョニング力とプランニング力は、仕事でも効果を発揮する。仕事のゴールとそこで得られる自分の感覚をイメージすれば、仕事の質も上がるはずだ。
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家事が面倒、ストレスになっている……ではなく、「家事でストレスを減らす」という発想の転換がまず必要だ。休みの日は「ビジ家事」で仕事も家事もスキルアップしてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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