薬を使わずに、今すぐ花粉症から楽になる方法はないものか。筆者はこの季節、薬を飲まなければ鼻づまり状態が四六時中続き、趣味の楽器が吹けなくなってしまう。これでいいのだろうかと悩みつつ、薬を飲み続けている。
国際感食協会理事長で「薬を使わない薬剤師」の宇多川久美子氏に、その悩みをぶつけてみた。
「いきなりレンコンを食べ始めたりする人よくいますけど、そんなにすぐに効くものではありません」(宇多川氏)
筆者にとって、きつい一言。レンコンが花粉症に効くと聞き、数日前から食べ始めていた。
「レンコンを食べて、すぐに花粉症が治まったりしたら、逆に怖いじゃないですか。レンコンには、粘膜を鍛えて免疫力を高める作用があるので、花粉症に対して効果があるのは確かですが、レンコンにしてもヨーグルトにしても、日々の暮らしに取り入れて生活習慣にしていかないといけません。花粉症の時季だけ食べるというのではダメですね」(同)
花粉症とは、そもそもどういう現象なのか。
「抗原抗体反応といって、花粉という抗原に粘膜が触れた時に、抗体をつくって外に出そうとするわけです。花粉症になるということは、防御しようとする力が強すぎるのです。システムが過剰に働いているから花粉症になるわけで、これは免疫の問題です。免疫を司っている自律神経のバランスが悪いというところから来るので、睡眠不足やストレスが加わったりすると、花粉症の症状がひどくなるということは、多くの方が感じていると思います。規則正しい、交感神経と副交感神経のバランスが取れた生活をするということが、基本だと思います。たとえば、過度な仕事をしていた人が、そうではなくなったら花粉症が治るということもあるので、生活習慣を変えるということが根本だと思います」(同)
交感神経と副交感神経については、思い当たることがあった。筆者は睡眠障害も抱えており、睡眠導入剤なしでは眠ることができない。
「睡眠障害は、花粉症にはよくないですね。眠くならないというのは、交感神経が常に優位な状態になってしまっているわけです。交感神経は『闘争と逃走の神経』と呼ばれます。動物で考えれば、昼間は闘ったり逃げる力が必要なので、交感神経が優位に立っています。リラックスできるのが副交感神経で、セロトニンというホルモンが夜になってメラトニンにチェンジすると眠くなるのです。それがうまくいっていない人は、花粉症も起こしやすいですね」(同)