天才でハンサムな天体物理学者に誘われ、官能の世界に堕ちていく1人の女性。その2人の間に生まれた関係は、あまりにも特別なものだった–
今、女性向けの「エロ」が注目を浴びている。女性週刊誌『an・an』(マガジンハウス/刊)のセックス特集は毎回大きな話題を呼び、アダルトビデオ業界では女性向けAVのレーベルができた。そして、女性向け小説の代表例ともいえる海外のロマンス小説も、より過激に、その深みを増してきている。
そんな中、主婦の友社が満を持して海外ロマンス小説の新レーベルを立ち上げた。その名も「ルナブックス」だ(電子書籍版も発売中)。
「ちょっとHでキュートで明るいロマンス短編小説」と銘打たれ、欧米で人気のロマンス小説を1冊に2作収録したアンソロジー形式で刊行されているこのシリーズ。その最大の魅力の一つは、さまざまなタイプのイケメンが登場するということだろう。
創刊シリーズの1冊である『ザ・セオリー・オブ・アトラクション/ツー・ステップ・テンプテーション』に収録されている「ザ・セオリー・オブ・アトラクション」(デルフィーン・ドライデン/著、芦原夕貴/訳)の主人公は、かなり奇妙な性癖を持った草食系イケメンだ。
若き天体物理学者のアイヴァンは、人づきあいが苦手であまり協調性がない男。そんなアイヴァンがある日、隣に住んでいる女性・カミラに「社交的にふるまう方法を教えてもらえないか」とお願いをする。
カミラはアイヴァンが育てていたトマトをもらうことを条件にマナーを教えることを快諾するのだが、アイヴァンは次第に、カミラに対して命令口調で話をするようになる。そして、アイヴァンの本性は、彼の前でカミラが裸になったときに明らかになる。
実は、彼は「実験」と称し、カミラをサブミッシブ(服従者)とみなしてSMプレイしようと試みていたのだ。そんなアイヴァンの行動に、最初は戸惑うカミラだったが、次第にそれを受け入れていき…
セックスを「実験」と捉えるアイヴァンと、そんな彼に心を魅かれるカミラ。2人の特別な関係は一体どうなるのか? 前半のアイヴァンの頼りなさからすると、後半のアイヴァンの強引さは、まさにキュンキュンすること間違いなしだ。不器用ながらも2人が心を通わせていく様子が丁寧に描かれているのもこの作品の魅力。
また、創刊シリーズもう1冊の『ヴェールド・デザイアー/モア・ザン・フレンズ』にも2作品が収録されている。そこでは、セクシーな大人の男に成長した弟の親友(年下男性)とのラブロマンスや、憧れだった恋人と付き合うことになったものの関係に悩む女性の心が描かれており、官能的で甘いロマンスの時間を味わうことができる。
この創刊シリーズに収録された4作は、作者も翻訳者もそれぞれ違うが、タイプの違った絶対的イケメンが登場し、何より読後感が爽やかであることが共通している。
ちなみに、「ザ・セオリー・オブ・アトラクション」の主人公・アイヴァンは、TVドラマ『ガリレオ』シリーズで福山雅治さんが演じている湯川教授というイメージがピッタリくる。
この秋、過激で甘いロマンスに浸りたい女性にうってつけの新シリーズだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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『ザ・セオリー・オブ・アトラクション/ツー・ステップ・テンプテーション』 ちょっとHで明るい短篇ロマンスの文庫新レーベル「ルナ ブックス」第1作。天体物理学者と文化人類学者、2人のハンサムな研究者がヒーローの2作品を収録。