人生は「運が7割、実力が3割」と述べるのは、売上高が2兆円に迫ろうとしている日本電産の創業者である永守重信氏だ。努力に努力を重ね、もうこれ以上できないといった果てに、初めて運はやってくる。最後に結果を決めるのは運であるという。78年の人生を通して、永守氏はどのようなことを実践して運を呼び寄せているのか。
成功経営者が語る2種類の運
『運をつかむ』(永守重信著、幻冬舎刊)では、運に近づくための考え方や行動について永守氏の実体験を交えて、仕事でもプライベートでも運気を落とさない生き方を紹介する。
永守氏は、緑色のネクタイを2000本近く持っているという。九星術で永守氏のラッキーカラーが緑だからだ。自分にとって験がいいものはいくらあってもいい。なので、ネクタイ以外にも、名刺入れ、カバン、カフスボタンなども全て緑で統一している。日本電産のコーポレート・カラーも緑である。
自分にとって験のいいラッキーカラーを身につけたり、周りに置いておいたりしておくと、それだけで気分がいいもの。気持ちが良ければ、仕事への意欲もいっそう高まる。いいと思うものは、一途に信じることが大切なのだ。
永守氏が験を担ぐものには、方角もある。運気の流れは方角とも関係しているからだ。寝る時は枕を南にする。出張でホテルに泊まるときも、南を頭にして寝る習慣は変えない。
なぜ南の方角にこだわるかというと、太陽が好きなことも関係している。南は太陽の光がもっとも強く差し込んでくる方角でもある。太陽は生命エネルギーの源であり、太陽の光を浴びることは、生きる力をいただくこと。永守氏の好きな緑を育む力でもある。なので、会社でも家でも、机は太陽の光がたくさん入ってくる南向きに置いているという。
運には「必然的な運」と「偶然の運」の2種類があると永守氏は述べる。偶然の運は石を投げたら当たるようなもので、努力の要素は全くない。なので、非常に低い確率でしかやってこない。一方、必然的な運は、生活の姿勢であったり、努力の仕方であったり、自分の力で呼び寄せられるもの。仕事で成功し、人生をより良いものにするには、努力によって呼び寄せる必然性を持った運だ。
永守氏は日々、どんなことを考え、実践し、運を引き寄せてきたのか。成功している経営者の習慣は大いに参考になるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。