社会人生活を続けていると、いつかはチームをまとめたり、メンバーを引っ張っていくポジションを任される時がきます。そんな時、元々リーダー気質の人なら何も問題はありません。しかし、自分を“リーダーっていう柄じゃない”と考えている人は困ってしまうはずです。
“柄じゃない”と考える人には共通点があります。それは、社交的ではないし、明るい性格でもない、一人でいる方が好きなど、どちらかというと「内向的」なこと。そんな人がリーダーになってしまったら、どのように部下と信頼関係を築き、チームをまとめていけばいいのでしょうか。
今回は『頼めない・叱れない・人間関係が苦手・・・ 内向型人間のリーダーシップにはコツがある』(渡瀬謙/著、大和出版/刊)からその秘訣を少しだけお教えします。
●「性格を変えよう」と思わないこと
自分を「リーダータイプ」だと思っていない人ほど、いざリーダーになると「リーダーらしい性格」に自分を変えようとしがちです。しかし、いきなり人が変わったようにふるまっても不自然なだけで、周囲を困惑させてしまいますし、本人もストレスがたまるだけ。
それならば、本来の自分の性格を生かしたリーダーになるほうが物事はうまく進みます。無理に自分を変えようとする必要はありませんし、無理に部下とコミュニケーションを取る必要もありません。これをわかっておくのが「内向的リーダー」への第一歩なのです。
●部下を鼓舞するのが苦手なら、「聞き上手」になろう
内向的な人はおうおうにして口下手で、コミュニケーションが苦手です。だからこそ自分をリーダーに向いていないと考えてしまうわけですが、口下手だからといってリーダーとして部下と信頼関係を築けないかというと、そんなことはありません。
内向的な人は、自分から話すことは苦手ですが、人の話をじっくりと聞くことには慣れています。この特徴を生かして、徹底的に相手の話を聞くというスタイルで部下と接すれば、部下からの信頼を集めることも可能です。
普段の業務でもミーティングでも、どうしても伝えなければいけないこと以外は、無理してしゃべることはありません。部下に自由にしゃべらせて、自分は聞き手にまわるほうが、部下も意見を出しやすくなります。
●「指示」ではなく「相談」する
また、内向的な人は誰かに指示を出すことも好きではありません。しかし、リーダーの仕事にはこれらはつきもの。部下を叱ったり、指示を出さなければいけない時、内向的な人はどうすればいいのでしょうか。
著者の渡瀬さんは、内向的なリーダーは、部下に“柔の接し方”をするべきだとしています。つまり、一方的に指示するスタンスではなく、部下の意見も聞きながら「相談」するスタンスにすれば、リーダーシップを取るのが苦手でも部下を動かすことができるのです。
もちろん、仕事には強制してでもやらせないといけないことも多々ありますが、この「相談」というスタンスをもって接していれば、部下から余計な反発を買うことも、人に指示を出す自分に違和感を持つことも減るはずです。
大事なことは、自分を「理想的なリーダー像」に近付けるのではなく、内向的な自分の性質を生かしたリーダーになること。
本書には内向的な人がリーダーとしてやっていくためのコツがまだまだ紹介されていますので、いざという時のために読んでおくと、後で役立つことがあるかもしれません。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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