本を書いて出版し、その売上から定期的に印税が入る。そんな「印税生活」は憧れですし、「いつかは本を出したい」と思っている人は多いはずです。しかし、実際は「生活できるだけの額」の印税を得るのは大変で、夢のまた夢。実現できるのはごくごく限られた人だけです。
『印税で1億円稼ぐ』(あさ出版/刊)の著者、千田琢哉さんはまちがいなくその選ばれた人の一人。
ビジネス書を中心にこれまでに約80冊の本を出版し、印税の総額は1億円を突破。書くことだけで生活している専業作家です。
この本で千田さんは、夢のまた夢だとわかっていてもなお「印税生活」を目指す人のためにアドバイスをおくっています。それによると、やはり作家には向き不向きがあり、こんな人はあまり向いていないようです。
■「原稿はないけど企画はある」という人
千田さんいわく「『原稿はないけど企画ならあります』と言う人の企画はだいたいつまらない」。
原稿を書くことによって、企画は初めて具体的なものになります。本にしたい企画があるのに、まだ原稿を書いていないというのでは、本づくりへの本気度を疑われても仕方ありません。
たとえ「書くな」と人に言われても、つい書いてしまうのが作家の性分であり、才能です。また、実際に企画だけを抱えて出版のチャンスを待つよりも、まず原稿を書いてしまったほうが早く出版にこぎつけられるといいます。
■「売れなくてもいいから、いい本を書きたい」という人
出版費用を自腹で払う「自費出版」であれば、自分の好きなことを、好きなように書いても問題はありません。しかし、出版社が出版費用を出す「商業出版」は売れてナンボの世界。職人肌や芸術家気質の人に多い「売れなくてもいいから、いい本を書きたい」というのは通用しません。
「いい本が売れる」のではなく「売れた本がいい本」というのが、商業出版の鉄則です。自費出版でもいいから本を出したいという覚悟がないなら、自分のこだわりは捨てて、読者がお金を払ってくれる本を目指しましょう。
■貯蓄に走る人
もし、自分の本を出版できて、その本が10万部売れたとすると、印税やそこから派生する仕事などで、最低でも3,000万円は稼げるといわれます。
それだけ稼いだら万が一の時に備えて貯金しておこうと思うのが人情というものですが、千田さんは「貯蓄に走ったら、作家人生は終わり」だといい、貯蓄するのは3,000万円を使い込んでしまうよりも愚かなことだと言います
作家生活を続けていくには、本を書く「ネタ」が必要です。3,000万円をまるまる使い込むのも愚かですが、それでも「ネタ」は得られます。しかし、貯蓄してしまってはそれすら得られないのです。
書いた原稿が出版されずに終わったとしても、それでも書くことをやめない人。書くことで得たお金を躊躇なく次の本を書くための投資に回せる人。作家に向いている人というのはそういう人です。
自分がそんな人間だと自覚しているなら、作家として生きること、オリジナリティのある本を書く秘訣などが本書にはさらにくわしく解説されていますので、出版という夢の実現のために参考にしてみてください。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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