7月に入るとそろそろ梅雨明けもカウントダウン。となると、やってくるのは恒例の連続熱帯夜です。眠りたくても暑くて寝られない。睡眠不足で日々の効率が落ちるのはなんとしても避けたいものですが、なんとそれ以上に恐ろしいことには、睡眠不足が肥満にもつながるというのです。
『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』(白濱龍太郎著、アスコム刊)によれば、睡眠時間が4時間以下だと太る確率は7割もアップするといいます。
「寝ないと太る」…聞いただけではちょっと信じられないかもしれませんが、アメリカのコロンビア大学の調査では、平均睡眠時間が7時間のグループを基準にした場合、6時間だと23%、5時間だと50%、4時間以下だと73%も肥満になる確率が高まるという驚愕の結果が出たそうです。
それにしても、なぜ睡眠が不足すると太るのでしょうか。著者の白濱さんによれば、理由のひとつは睡眠不足により食欲をコントロールするホルモンの分泌異常が起こるから。
人の食欲や代謝を司るホルモンにはレプチンとグレリンがあります。レプチンは脂肪細胞が体内に増えると脳に働きかけて食欲を抑え、エネルギー消費を増やす働きをし、一方のグレリンは脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の指令を出します。つまりグレリンの分泌量が増えるほどカロリー摂取量が増え、肥満につながりやすくなるということなのです。
そして、どちらのホルモンが優位になるのかを決めるのが、睡眠時間です。
その分岐点は6時間で、それより睡眠時間が減ると“スマートホルモン”レプチンの分泌が減って、“太らせホルモン”グレリンの分泌が増えるとされるのだそうです。
なんとも灯台下暗しな話ですが、必死にカロリー制限しても睡眠不足が続けば元の木阿弥。夏ヤセしてる人はきっと睡眠不足じゃないのかもしれません。
もうひとつ、やせない理由は、睡眠不足で基礎代謝が落ちるためです。基礎代謝をアップさせる作用をもつのは成長ホルモンですが、これが大量に分泌されるのはノンレム睡眠時。うまく寝られなくて浅い睡眠状態が続けば、成長ホルモンの分泌が減り、睡眠中のカロリー消費量が減ってしまうのだそうです。
たかが睡眠、されど睡眠。白濱さんは適切な睡眠時間と、質の良い睡眠をとることが必要だと提唱しており、本書では、睡眠の質を上げるためのさまざまな法則が紹介されています。
夏バテして食欲もないのになぜか太ってきた…と感じたら、睡眠を見直してみたほうがいいかもしれませんよ?
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。