一見、どれもチームとして「当たり前」のことのように思えますが、実際にやってみると、人間関係の悪化が気になって「率直に意見を言う」ことを避けてしまったり、失敗して自分の評価が下がるのが怖くて「試みる」ことをためらったりしがちです。
本書では、そうした「当たり前」のことを、どんな状況でも一人ひとりが実践できるように、リーダーが心がけるべきコツをいくつか紹介しています。たとえば、「率直に意見を言う」「試みる」というチーミングのコア要素を実践するには、「心理的安全を高める」ことが重要だと著者は説いています。
「心理的安全を高める」ことで、何か意見を述べ、行動を起こした結果、他人から「無知・無能だと思われる不安」「邪魔をする人だと思われる不安」を解消する効果があります。心理的安全の高いチームは、対人関係のリスクが軽減されているので、一人ひとりが率直に意見を言ったり、試みたりすることができるのです。
■「心理的安全」を高めるリーダーシップ
では具体的に、心理的安全を高めるためにリーダーはどんな行動をとればよいのでしょうか? 本書のなかで、「自分もよく間違うことを積極的に示す」というアドバイスが紹介されています。
この本に登場するある心臓手術チームのリーダーは、スタッフに対して「きみたちの意見が必要だ。私はきっと何か見落としているだろうから」と、何度も繰り返し伝えています。リーダーが自分の限界をさらけだしたことで、メンバーの意見が尊重されていること、プロジェクトへの積極的な参加を促すことに成功。その結果、心理的安全が高まり、心臓手術という刻々と状況が変化するなかで、絶妙なチームワークを発揮することに成功したのです。
リーダーという立場上、自分が間違うこと・失敗することをさらけ出すのは勇気がいることだと思います。しかし、新しいプロジェクトに挑戦するとき、間違いを犯してしまうのは当然のことです。その際、「正解はまだ自分にもわからない。だから、一緒に正解を考えよう」とメンバーに表明することが大切なのです。
あらゆる組織・チームにおいて、問題解決や目的達成のために、チームワークは欠かせません。チームリーダーやマネジャーにとって本書は、チームワークを発揮するために、自分がやるべきこと、やってはいけないことが整理できる一冊になるでしょう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。