ビジネスの現場で、どのような言葉を選んだらいいのか分からなくなる困るシチュエーションは多い。上司から詰められたとき、取引先からゴリ押しされたとき、ビシッと会議を始めたいとき…。一言を間違えてしまうととんでもないことになってしまうこともある。
そんなときに役に立つのが『怒らないで聞いてください』(平林信隆/著、マイナビ/刊)だ。本書は心理カウンセラーの平林氏が出会った多くのフレーズの中から、すぐに実践できる鉄板フレーズを厳選して紹介する一冊。
私たちは何気なく発する一言には、人の心に影響を与えるツボがあり、そのツボの型を習得し、自分が発するフレーズを変えることで人間関係はより良くなるという。
では、具体例をピックアップしよう。どうしても断りたいときには以下のようなフレーズを使ってみてほしい。
■やむをえない状況を理解してもらい、断りたいときには
誘いを受けたいけれど、どうしても断らないといけない状況がある。その誘いを受けたいのだが、で「難しいのでお断りいたします」とスパッと断ってしまうと、相手の心象を悪くしてしまう恐れがある。
そこで使いたいのが「できることならそうしたいのですが……」というフレーズ。自分の本心はそうしたいけれど、状況が断らざるをえないということを相手に伝えることができる。自分の本心を相手に理解してもらいやすくするといい。
■大手顧客の要望に応えられないときには
本書では、「部品メーカーが大手顧客から特殊な要求されたもののそれに応じられなかったとき」という設定だが、同じような状況はいくらでもあるはずだ。
もちろん社内で調整をしたものの、どうしてもできない。このとき、「結局はだめでした」と素直に言うのはNG。「八方手を尽くしたのですが、期待に沿えず申し訳ありません」と、できるために全てのことを検討したが難しいということを伝えることで、こちらの誠意を示すことができるはずだ。
■勧誘をきっぱりと断りたいときは
まったく必要のないモノの営業電話など、気の乗らない依頼の際はスッパリと断ってしまいたいもの。「考えてはみますが……」と含みを持たせてしまうと、相手に期待を抱かせてしまう。
「そういうことは、いっさいお断りさせていただいております」というフレーズを使うと、言葉が丁寧でありながら、こちらには受ける余地がないということを明確に伝えることができるだろう。
本書では「断り」のフレーズをはじめ、「営業・接客」「会話を盛り上げる」「モチベーションを上げる」「上司に好かれる」「できる大人の言い回し」「会議を仕切る」といった場面で使える鉄板フレーズを187個、取り上げられている。
著者の平林氏はシステムエンジニアをはじめビジネス企画、セールス、新規事業推進、IR、経営者など30年にわたって様々な役割をこなしてきた。そんな平林氏がコミュニケーションの達人や自身の知恵を凝縮したのが本書だ。
フレーズの引き出しの多さは、周囲との人間関係をスムーズにさせる一助になるはずだ。少しフレーズを変えてみることで、仕事がグッと楽しくなるかもしれない。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。