「人を育てる」というのはいつの時代も難しいことだが、「ゆとり世代」「さとり世代」と呼ばれる世代が社会人になり、彼らの社員教育に頭を抱えている上司が増えているという。
『脳から変える No.1社員教育』(西田一見/著、「元気が出る本」出版部/編集、現代書林/刊)は、ビジネスメンタルトレーナーとして、会社、組織、ビジネスパーソンに脳のトレーニングを指導してきた西田一見氏が、「イマドキの若手社員」を脳の使い方から変えて「戦力となる人材に育てる手法」を具体的に解説する一冊。では、どうすれば若手社員たちをうまく育てられる
1980年代終わり頃から90年代前半生まれの若者を「ゆとり世代」「さとり世代」と呼ばれているが、この世代の若者にはある特徴が顕在しているという。それは、「クルマに乗らない」「ブランド品を欲しがらない」「恋愛が億劫」「無駄な努力をしない」「人と深く付き合おうとしない」といった傾向が代表的な例だ。もちろん、この世代の若者のすべてがそうではないが、目に見えて増えているのも確かだ。
この世代の若者が入社し、先輩や上司の悩みのタネになっているケースがよくある。将来に対する夢がなく、今をなんとか生きていければいいという傾向にある若者たちは、会社で一旗揚げようという気がないため、帰属意識も薄く、責任ある立場になることを避けたがったりする。いつ辞めてもいいとさえ思っている若手もいる。
一方で、会社がリーダーシップを発揮できる環境を用意しているのか、ということも考えなければいけない。経営者やリーダーが会社の未来をちゃんと語っていれば、そこから次のリーダーとしての自覚が生まれてきて、経営者やリーダーの思いを受け継いでいこうという気になるかもしれない。
若手社員たちをどのようにしてもっと前向きに取り組めるようにするのか。そのカギとなるのが、西田氏が紹介するSBT(スーパーブレイントレーニング)だ。SBTは、ブレイントレーニングで今ある能力を引き上げ、メンタルトレーニングで能力を最大限に発揮する方法だ。人間の能力のほとんどは、潜在能力として眠ったままの状態。SBTで「成功を信じる脳」に変えてあげるだけで、潜在能力を引き出し、実際に成功に導くことができる。SBTを社員教育に取り入れた企業の多くが、若手社員の潜在能力を引き出すことに成功しているのだという。
「新人類」と呼ばれた「しらけ世代」や「バブル世代」など、いつの時代にもそういった呼び名はあり、「ゆとり世代」「さとり世代」がおかしいとも言えないし、社員が育たないということはない。従来の社員教育にも原因があったのかもしれない。人材教育で悩んでいる人は参考になる一冊だ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。