「コンビニパンは危険」は間違い?「食品添加物は危険」のウソ、毒性誇張のまやかし
コンビニエンスストアで売られているパンの原材料欄には、見たことも聞いたこともない化学物質が大量に書かれています。「リン酸塩はカルシウムの吸収を阻害し、防腐剤は発がん性がある」といった記事も見かけますが、コンビニパンを食べて障害が起きる確率は極めて低く、まったく問題ありません。
どうしてそんなことが言えるのでしょうか?
“フードホラー”ともいうべき食べ物に関する誤った情報が氾濫していますので、今回は食品添加物を正しく理解するための思考法を解説します。
添加物の毒性
まず、インターネットで添加物について調べると、「発がん性がある」「腫瘍ができた」「~の吸収を阻害する」といった情報が大量に出てきます。もちろん、これらの情報の大半は嘘ではありません。事実だと考えられます。
しかし、ここで大きな勘違いが起きるのです。十分な施設の整った研究機関で、正しい手順で実験を行った結果として得られた毒性に関する情報は、「この分量を使うと危険が生じる」ということを示しています。食品に混合する化学物質については、人が摂取しても安全かどうか、どのような毒性があるのかをすべて調べています。さまざまな動物に、大量の化学物質を投与し、毒性が出るまで調べます。
どんな化学物質でも、大量投与すれば、必ずなんらかの害が出ます。水でも一気に10リットルほど飲めば死ぬのです。また、食卓塩も一度に100グラムほど食べると、死ぬ可能性があります。動物実験では、もっと少量で死に至ることもあります。
このような情報を耳にして、「水や塩は猛毒だ」「人を殺す物質だ」と騒ぐ人はいないでしょう。あらゆる物質には、摂取できる限度があるということなのです。
これに対し、「ほんの少しでも含まれていると、大量投与した場合と同じ害がある」と言うことは、明確にインチキだといえます。これがフードホラーを煽る人の商売の種なのです。
添加物は本来不要な化学物質?
そうはいっても、食品添加物は本来食品には不要なものであって、体に必須の水や塩と比較するのがおかしいという考え方は正常です。