ビジネスジャーナル > スポーツニュース > 香川、マンU移籍で故郷に2千万円  > 2ページ目
NEW
スポーツライター小宮良之の「フットボールビジネス・インサイドリポート」第7回

香川、マンU移籍で地元ユースに2千万円 弱小クラブの稼ぎ方

文=小宮良之

 C・ロナウドはレアル・マドリー移籍でもスポルティングに連帯貢献金として、数千万円の利益をもたらしている。日本代表の香川真司のマンチェスター・U移籍では、12才から16才までを過ごしたFCみやぎバルセロナに2千万円が支払われる一件で明らかにされているが、優秀な選手を育成した場合、移籍するたびにこうした恩恵を得ることができるのだ。

 ポルトガルはギリシャに続いて破綻が懸念されるEUROの一国である。経済力は決して誇れるものではない。しかしフットボールにおいては、スポルティングを筆頭として、逞しい育成と売却で異彩を放っている。

 日本サッカーは日進月歩の発展を遂げてきた。だが、Jリーグのクラブはまだ商売が得手とは言えない。09年までは国内独自の移籍金制度に守られてきたため、欧州のクラブから見れば、付け入る隙があるのだろう。スポルティングのようにしたたかなクラブがJリーグに登場して初めて、世界と伍することができるのかもしれない。育てるだけでは十分ではなく、その先を見据えたプラニングも欠かせないだろう。

 ちなみにC・ロナウドが9歳の時に捻出した“移籍金”は、スパイク200足とボール10個だった。ボールは中古混じりだったという。選手とは、クラブにとって掛け替えのない財産なのである。
(文=小宮良之)

小宮良之

小宮良之

1972年、横浜市生まれ。大学卒業後、スペインのバルセロナに渡り、語学力を駆使してスポーツライターとして活動。EURO、冬季五輪、W杯などを取材後、2006年から日本に拠点を移し、人物ルポ中心の執筆活動を展開する。『アンチ・ドロップアウト』『フットボール・ラブ』(共に集英社)、『名将への挑戦状』(東邦出版)、『ロスタイムに奇跡を』『導かれし者』(共に角川文庫)、『ザックJAPANはスペインを倒せるか?』(白夜書房)など著書多数。最新刊は海外移籍した日本人の戦いを検証した『サッカー「海外組」の値打ち』(中公新書ラクレ)。

Twitter:@estadi14

香川、マンU移籍で地元ユースに2千万円 弱小クラブの稼ぎ方のページです。ビジネスジャーナルは、スポーツ、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!