1858年、初代伊藤忠兵衛が麻布類の行商として、現在の滋賀県犬上郡豊郷町で創業した。株式会社設立は1949年。60年代には大本営参謀出身の業務本部長・瀬島龍三(のちに会長)が政商・久保正雄の介在でインドネシアのスカルノ政権に食い込み、賠償貿易利権で収益を上げた。77年、破綻した大手商社・安宅産業を吸収合併し、繊維中心の商社から総合商社の体制を固める。以後、財閥系3社に次ぐ万年4位の総合商社として社歴を重ねたが、現会長の岡藤正広が社長に就任した2010年以降「利益を稼ぐ」「無駄を削る」「損を防ぐ」の頭文字「か・け・ふ」を合言葉に、15年度決算で純利益首位、20年度期決算で、総合商社で純利益、株価、株式時価総額トップの「三冠」を達成した。24年、数々の不祥事が社会問題化したビッグモーターを買収。24年3月通期の売上高14兆299億円、経常利益1兆957億円、純利益8018億円。