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日本の常識はドイツの非常識 第2回

家族との時間、高い生産性...秘訣は"昼の"飲み二ケーション!

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男は黙って、サッポロビール。
(「Thinkstock」より)
ドイツ在住のジャーナリストで翻訳家・金井ライコが、異国の地で自ら体験した失敗や感動を交え、両国の仕事にまつわる"常識"の違いを検証。ビジネスパーソン必読の、"実践的"処世術である。GDPベースで世界3位(日本)、4位(ドイツ)と仲良く並び、経済規模も近い両国だが、仕事における慣習には大きな違いがある模様だ。

 ここドイツは、誰もが知るビール王国。多くの人にとってビールは生活の一部になっており、職場でもビールは切り離せない。特に私の住むミュンヘンは、ドイツ国内でも有数のビール産地。毎年9月に開かれる世界的に有名なビールの祭典「オクトーバーフェスト」には、各国から600万人もの観光客が集まる地域だけになおさらだ。

 午前10時。早朝から働く職場では、「マールツァイト(Mahlzeit)」といって、この時間に15~30分ほどの休憩を取る。社員は食堂などで軽食を摂るのが習慣だ。ひと仕事を終えて、ほっとひと息つく社員らの手には、当然のようにビールを満たしたグラスが握られている。

「朝からビールを飲んでいいの?」と問いかける私に、「なぜいけない? ミュンヘンの朝食には白ビールがつきものさ」と、同僚は平然とした顔で言ってのけた。「日本ではありえないよ」と言うと「なぜ? ビールは水みたいなものなのに信じられない!」と不満顔。

 ドイツのほとんどの会社の食堂には、普通に何種類かのビールが並んでいるから、休憩時間にビールを飲むのは、会社のお墨付きをもらっているようなもの。職種によっては控える人もいるが、よほど酔っぱらいながら仕事をしないかぎり、会社から口うるさく指導されることもない。

不文律は「仕事中はグラス1杯」なのだが......

 もちろん、サラリーマンたちの間では、「仕事中はグラス1杯」というのが不文律になっている。しかし、ミュンヘンではそのグラスが通常500ミリリットル。私もドイツ流にと、朝の休憩時間にビールを"ほんのグラス1杯"飲んでみたが、最初はとても30分では飲めずに、ほろ酔い気分で職場に戻ったものだ。しかし慣れは怖いもので、1カ月もすれば同僚と同じようになっている自分がいる。笑いながら500ミリリットルを軽々と飲み干すほどに成長(?)した。

 さて、12時になると、食堂では再びビールの時間がやってくる。テーブルの上には、もちろんグラスがずらりと並ぶ。ランチ時に「仕事があるから飲んじゃまずいかな」などと良心の呵責を口にする日本人サラリーマンにとっては、天国のような光景だろう。