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「儲けられる特別な情報」という名のワナ

野村、外資系証券etc.“巧妙な”インサイダー取引の実態

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7月27日付日経新聞より
株式専門紙記者を皮切りに、証券人生30年の経済ライター・岡本昌巳。ブログ「今日の岡本」はほぼアルコールネタで埋め尽くされているが、独自理論に基づく株式相場の流れを重視した銘柄発掘力は群を抜くと評判。そんな岡本氏が、相場師が知っておくべき“常識”を指南する連載「飲んべえ岡ちゃんの相場師養成講座」(第7回)をお届けする。

 さて、前々回から出している宿題。

 「相場では特別な情報ってあるんでしょうか?」

 長年、この業界にいますと、わかりますが、確かにインサイダー情報を筆頭に「特別な情報」は存在します。

 ただ、現在ではインサイダー情報に関しては「存在する」というより、「存在していた」と過去形にした方が適切かもしれません。「存在していた」のは、公募増資インサイダーの問題が発覚するまでですが、これについてはあとで説明します。

 今では、グローバルスタンダードに沿った公正な株式売買を実現するために、証券会社も上場企業も株価の変動要因となる特別な情報が漏洩しないよう、厳しい“壁”を築いています。

 証券界ではこの壁を、「万里の長城」に擬して「チャイニーズウォール」と呼んでいます。

 ただ、昔は「あうんの呼吸」というか、結構いろいろな情報漏洩はありましたね。とくに80年代のバブル時代。いや、インサイダー規制もありませんでしたから、漏洩という感覚もなかった。

スクープ=インサイダー情報?

 僕自身、証券専門紙記者をやっていましたが、いくつかのスクープも抜きました。これだって株価に影響を与えるのですから「特別な情報」といえます。証券会社から「この企業、増資が近いよ」とか、上場企業から「業績の上方修正が近いよ」などの情報も結構簡単に取れました。もちろん、こちらも情報を出す。通常の情報交換のなか、そこに今でいうインサイダー情報などの特別な情報も含まれていたという感じでしょうか。

 では、インサイダー取引をしていた人がいたか? というと、僕自身、株式売買には興味がありませんでしたし(そもそもカネがなかった)、バブル当時の証券マンは、そんなことをしなくても高給を取っていましたし、周囲にはそんな人はいなかったという印象です(いたかもしれませんが……)。

 しかし、88年、証券取引審議会のこんな報告がありました。
 
「有価証券の発行会社の役員等は、投資家の投資判断に影響を及ぼすべき情報について、その発生に自ら関与し、又は容易に接近しうる特別な立場にある。これらの者が、そのような情報で未公開のものを知りながら行う有価証券に係る取引は、一般にインサイダー取引、すなわち内部者取引の典型的なものといわれている。

 こうした内部者取引が行われるとすれば、そのような立場にある者は、公開されなければ当該情報を知りえない一般の投資家と比べて著しく有利となり、極めて不公平である。このような取引が放置されれば、証券市場の公正性と健全性が損なわれ、証券市場に対する投資家の信頼を失うこととなる」

『ザ・シークレット』


証券会社のシークレット

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