NEW
【特集】ニッポンのクリスマス…“性”夜はいずこへ(2)

Xマスの経済効果はゼロ?サザエさんと深津絵里から読み解く

【この記事のキーワード】

,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

『クリスマス・イブ』(ワーナーミュージック
・ジャパン/山下達郎)
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?

●クリスマスとクリスマス商戦の誕生と浸透

 性夜、いや、聖夜が近づいている。

 クリスマス商戦も佳境に入った。子どもたちはサンタクロースに願いを込める。カップルはお互いにプレゼントを買い、家庭ではデコレーションとケーキの準備にいそしんでいる。私にとって12月はクリスマスよりコミケが大イベントだけれど、多くの人にとっては、仕事納めとクリスマスを重ねて年の終わりを感じる。

 本記事ではクリスマス商戦の歴史をひもとき、クリスマスの経済効果について述べていきたい。

 キリスト教の伝来後、日本において「クリスマス」が使われだしたのは明治時代だった。福沢諭吉ら進歩的文化人が、先進的な外来文化としてクリスマスパーティーを愉しんだ記録が残っている。このころサンタクロースは「三太九郎」と当て字で呼ばれ、それがサンタ「さん」の語源だとする説もあるほどだ。

 日本におけるいわゆるクリスマス商戦の発祥は、この明治時代に銀座で百貨店各社が華やかな飾りを始めたことによる。舶来文化の摂取と商売を結びつけた販促活動の嚆矢だった。「海外製品を持つことがカッコいい」とするブランド商法は、すでにこのころから日本の消費者に受け入れられていた。

 ただし、バッグや貴金属の類だけではない。当時はクリスマスプレゼントとしてハミガキがあった。ハミガキで歯を磨く習慣も、当時からすると舶来文化だった。なんとサンタクロースは当時、良い子にハミガキをプレゼントとして渡していた。

 そして大正時代、竹久夢二の小説『クリスマスの贈物』では、サンタクロースにおもちゃのプレゼントを期待する子どもたちが描かれている。私たちはクリスマスやサンタクロースの文化を、戦後からだと勘違いしがちだが、明治・大正時代にはすでに誕生していた。

 その後に敗戦があったものの、戦後すぐにクリスマスは活況に戻った。同じく銀座では100万人近い人が盛り場に集まった。キャバレーやクラブ、ダンスホールは学生や若手社会人であふれた。

 映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(東宝)が舞台にした昭和も30年代になると、「家族のためのクリスマス」が強調された。クリスマスになると、父親はクリスマスケーキを買って早めに帰宅し、だんらんを楽しむようになった。昭和32年には、サザエさんをはじめとする磯野家の面々がクリスマスケーキを食べるシーンが登場する。このあたりで、日本国民に「クリスマス」「クリスマスプレゼント」「クリスマス商戦」「サンタクロース」といった文化が浸透していったようだ。

●クリスマスとクリスマス商戦の定着

 高度成長期とともにさらに定着していった、クリスマス文化とクリスマス商戦。その頂点は、1988年から放送されたJR東海のテレビCM「クリスマス・エクスプレス」シリーズだった。山下達郎さんの名曲「クリスマス・イブ」が流れる同CMは、深津絵里さん、牧瀬里穂さんなどのスターを生み出した。

 特に88年の深津絵里さん篇は印象的だった。新幹線ホームに彼を迎える彼女。彼は見当たらず泣き出しそうになったとき、柱の陰からプレゼントを持つ手が見える。彼はプレゼントで顔を押さえ、なんとムーンウォーク(!)で登場する。

「帰ってくるあなたが、最高のプレゼント」

 家族でだんらんを楽しむクリスマスを、恋人同士で楽しむクリスマスに変えた記念碑的CMだった。

『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~(通常盤/クリスマス・パッケージ仕様)』


まさに珠玉…もちろんクリスマス・イブも収録

amazon_associate_logo.jpg