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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第8回

市販薬で効く育毛剤はリアップだけ? 人がハゲるワケとその有効策【前編】

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育毛剤の成分別患者評価
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 生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析! 配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップする。


 オイッス! 今回はわりと神妙なお題です。

 「将来ハゲたらどうしよう」「最近抜け毛が日増しに……」

 男なら誰もが一度は考えたことのある、大きな男の悩みの1つですネ。脱毛症が今回のテーマであります。わりと深刻に悩んでいる人もいるでしょう、親父がハゲているから俺も……とまだ若いうちから心配している人もいるでしょう。

 メカニズムを知れば、何をすべきかが分かります、分かれば打てる手もあるものです。逆にきちんとした知識もなく、テレビや雑誌の言うがまま、なすがままだとお金だけ取られて取り返しの付かないところまで進行してしまう場合も少なくありません。

 コンプレックス商売は、やり口がエグい業者も多く、モノがモノだけになかなか消費者庁などへも相談もできないということがあり、わりと悪徳業者がやりたい放題やっているという現状もあります。

 そんな魔物達の食い物にならないためにも、ハゲと育毛剤に関する知識は大事なわけです。そこでまず、勇気を出して「そもそもどうして毛が抜ける?」というところから、ちょっと勉強しておきましょう。

●そもそもどうして毛は抜けるのか?

 薄毛の起源は洞窟などの穴蔵に住んでいた我々の祖先。およそ2万年以上前にさかのぼります。当時はようやく言語らしい言語を開発し、洞窟に毛皮で作った衣類をまとい生活していたわけです。

 その時代では、長生きしている=生存能力が高いとなり、老年の特徴である、はげ上がった頭が、成熟したオスのシグナルとしてセックスシンボルだったわけです。

 それ故、若くても薄毛になる遺伝子が出てくると、率先して子孫を残すことができ人類は繁栄。その結果が現在の若くして脱毛症の始まる血統の元という説があります。

 しかしながら、薄毛がモテ要素だったのはそれくらいの時代までで、人間が文明を持ち出すと同時に、薄毛の悩みと戦い始めます。記録では紀元前4世紀に、偉大な哲学者アリストテレスが育毛剤を使っていたという話もあるように、飽くなき育毛に関する探求は続けられてきました。

 そして時代は移り変わり現代。様々な薬剤が開発され、薬局に行くと、「これぞ本命」「いやいや、ウチのメーカーこそ毛が生えます」「何を言ってるんだこの医薬用成分が……」などと宣伝文句が躍り狂い、何を買ってよいものか迷う始末。ミノキシジルのリアップが効果が高いらしい……と、いざ買おうと思うも、意外な程の値段の高さに戸惑い、まずは、もう少し安いモノを試してみてから……と、また迷ってしまう人も多いでしょう。

●金髪にするとハゲる! は間違いない

 毛は成長、休止、脱毛というサイクルで、2~7年の成長期と何も起きない3週間の中間期を経て休止期に入り、休止期を迎えた毛は1~3カ月以内に脱毛します。これにより髪の毛が無限に伸びていかないようになっているのですが、個人差があり、人によってはギネスブックに載っているような超ロングヘアまで成長する人もいるようです。

 毎日100本抜け100本育つというサイクルが普通なのですが、このヘアサイクルが乱れ、脱毛が育毛を上回り、生えてくる毛が軟毛(産毛)になってくると男性型脱毛症がすでに始まっているといえます。

「猫っ毛はハゲる」とは昔から都市伝説のようにいわれていますが、毛の根元、特に前髪の生え際に、3~4センチ以上の細くて長い猫の毛のような毛が生えているということは、すでにヘアサイクルに乱れが生じ始めているといえるので、男性型脱毛症がすでに始まっている目安となります(もちろん、それらは専門医の診断があって初めて決まるわけですが)。