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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第4回

「多成分配合は危険!」山ほど並ぶ風邪薬はどれを買えばいい!?

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三田佳子のイメージが強かったパブロンのCM。いまはこの二人。
(「大正製薬HP」より)
 オイッス!

 季節の変わり目ですね、冬支度しましたかぁ? 寒暖差で調子崩してませんかぁ? 風邪引いてませんかぁ? 

 というわけで、今回は風邪薬のお話です。風邪薬というのは存在しないとか、本物の風邪薬を作ったらノーベル賞ものだとかのうわさ話のひとつやふたつを耳にしたことがある人もいると思います。

 そしてなにより、薬局にうずたかく積み上げられた風邪薬コーナーの圧倒的物量に、もはや何を買って良いのか判断できる人はなかなかおらず、その違いもまたよくわからない……というのが、風邪薬に対する印象ではないでしょうか?

●本当の風邪薬が無い理由

 現在、我々が享受している西洋医学は、抗生物質ありきといっても過言では無いのです。何が言いたいかというと、体に入れると細菌だけを殺してくれる抗生剤は、かつて人々を致死に追いやった疫病、結核、コレラ、赤痢といった感染症を一発で治し、今や恐るるに足りない病気にしました(耐性菌の話とかは、おいといて)。

 そして、外傷や外科手術にと、感染症を抑えることでさまざまな医療が可能になったわけです。
 
 そんな細菌に万能な抗生剤ですが、あくまで細菌を殺す薬なわけで、細菌ではない病原体、ウイルスにはまったく効果がありません。そして大部分の風邪というのは、ウイルス感染症です。「ウイルス感染症なら、インフルエンザみたいに予防接種ができるじゃなーーい!」といけそうなのですが、さにあらず。そもそも風邪はあらゆるウイルスの初期症状に過ぎません。コロナウイルス、ライノウイルス、それぞれが数百の型があり、さらに複合感染であったりして組み合わせは無限大。そんな膨大な量のウイルスに対するワクチンなんか用意してらんねえ、しかも致死性でもないウイルスにそんな無駄な開発はしてらんない……という理由で風邪のワクチンは存在しないわけです。決して作れないわけではないのです。

 致死性では無い……風邪にかかっても人はだいたい死なないので、あくまで不快な症状を抑えれば自然に治る、これが風邪薬のコンセプトです。要するに対処療法、QOL改善のための薬、要するに治療薬ではなく、対症状薬なわけです。

 ちなみにインフルエンザはかかるとしっかりと死亡者が出る、“死に至る病”ですから別格です。現代でももちろん死亡する場合もありますので、風邪の上位版みたいに考えるのは甘いです。予防注射を受けられる体力がある人は、受けておいたほうがいいですよ……。