ビジネスジャーナル > ライフニュース > 風邪薬はどれを買えば正解?  > 2ページ目
NEW
知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第4回

「多成分配合は危険!」山ほど並ぶ風邪薬はどれを買えばいい!?

文=へるどくたークラレ
【この記事のキーワード】,

●風邪薬のガブ飲みが効くわけ

 結局風邪薬とは、風邪によるさまざま症状を抑えるためだけの薬。病原菌を殺したり、免疫力を活性化させたりなどというものではありません。それゆえに、風邪薬を定められた容量の2倍3倍と飲めば、より強く症状を抑えることができますが、それは免疫力まで低下させることになり、結果的に治りを遅くし、最悪合併症の危険性なども上がってきて危険です。風邪薬は多めのほうが良く効くと、ガブのみして無茶な仕事をしている人を見かけますが、自殺行為なので、絶対にやめましょう。

 そんな市販の風邪薬の成分は実際のところ、ここ20年ほどほぼ変化はありません。入っているのは抗炎症剤(NSAIDsなど)、抗ヒスタミン剤、鎮咳・気管拡張剤、去痰剤の4成分です。あとの成分は、鎮静補佐成分やら、眠気抑えのカフェインやら、どうでもいいビタミン類やらという感じになります。

●風邪薬の主な成分一覧

抗炎症剤:炎症と、それによる痛みを抑える成分で、単品だと頭痛薬や痛み止めに使われます。
<主な医薬品>
アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド、メフェナム酸、イソプロピルアンチピリン、スルピリン、ロキソプロフェン、塩化リゾチーム、トラネキサム酸

抗ヒスタミン剤:風邪薬に使用される医薬品は古い成分が多く、眠気が強くなるものが多いため、それを打ち消すためにカフェインが入れられることも多い。
<主な医薬品>
メチレンジサリチル酸プロメタジン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クレマスチン、メキタジン、カルビノキサミン

鎮咳・気管拡張剤:エフェドリン以外の医薬品は眠気成分になるので、市販薬ではエフェドリン類が好んで使われるが、効果としてはデキストロメトルファンの方が優秀。
<主な医薬品>
ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン、ノスカピン、エフェドリン(メチルエフェドリン

去痰剤:咳が起きる元になる神経の興奮を抑える薬で、副作用は殆ど無いわりに良く効く成分です。
<主な医薬品>
グアイフェネシン、ブロモヘキシン、カルボシステイン、アンブロキソール

その他:ほかの成分を補佐したり、副作用を抑えたりといったものに添加されます。
<主な医薬品>
ブロモワレリル尿素 ヨウ化イソプロパミド カフェイン ビタミン類 

●どれを買えばいいんだろう?

 えーーーーっと。まぁ、ここまで来て言うのもなんなんですが、どれでも効果は変わりません。

 先の表を頼りに、不快症状が頭痛なのか、喉のイガイガなのか、湿性の咳なのか(痰がからんだゲロゲロ言う咳)、乾性の咳(乾いた咳)なのかに併せて、一番安いのを買えば十分です。ブランドとか、絶妙な配合もクソもありません。実際に医者にかかっても、処方されるのは大半がPL顆粒という非ピリン系の総合風邪薬程度で、中身は、市販薬に毛が生えた程度のものです(だが良く効くんだけどな)。

へるどくたークラレ

へるどくたークラレ

覆面の不良科学屋。添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、『アリエナイ理科ノ教科書』の著者、SFやミステリーの設定やトリックの監修も務める。こっそり大学でも教養課程で科学を教えていたりする。過去の連載をまとめた『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』は好評発売中。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。

「多成分配合は危険!」山ほど並ぶ風邪薬はどれを買えばいい!?のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!